HOUに負けて気持ちが落ちたことに加え、仕事の方で忙しくなってしまい更新をさぼっていましたがBYE明けくらいからまた再開できればと思います。
シーズン中のトレード期限が日本時間11/1 AM5時にありました。推しチームにはなにもないことが多いのですが今回は動きがありました。望んでいたものとは違ったものの堅実なムーブだと思います。ではどんな動きだったのかまとめていきます。
締切ぎりぎりのトレード成立!
JAX RECEIVE | MIN RECEIVE |
---|---|
OL Ezra Cleveland | 2024 6R (via CAR) |
昨年トレードしたLaviska Shenaultの対価としてもらった指名権を使用してのトレードとなりました。結果としてこのトレードでClevelandとCooper Hodgesを手に入りましたが、悪くなかったのではないでしょうか。
なおキャップは1.66Mと安いのでその点の問題は一切ありません。
Ezra Clevelandとは
Boise State出身でカレッジではLTとしてプレー。2018年、2019年とAll-MWCの1stチームに選出。コンバインでは40ヤードを4.93秒で走り、身体能力の高さの指標であるRASは9.98で、1987年~2020年の1099人のOGの中で3番目というフィジカルフリーク。
New #Jaguars OG. His #RAS at OT was also stellar when he came out.
— Kent Lee Platte (@MathBomb) October 31, 2023
Ezra Cleveland was drafted with pick 58 of round 2 in the 2020 draft class. He scored a 9.98 #RAS out of a possible 10.00. This ranked 3 out of 1099 OG from 1987 to 2020. https://t.co/eULh0N7qZf pic.twitter.com/OhvEJLi8q3
迎えた2020年ドラフトで2巡58位でMINにOGとして指名され、ルーキー時はWeek6からRGとして先発。9試合で5被サック、23QBプレッシャーと平凡な記録。2021年よりLGへとコンバートされ17試合に出場し1被サック、34QBプレッシャーとスタッツは向上、翌年は調子を落としたが全試合出場し、今年もスターターとして6試合に出場。さらに1被サック、10QBプレッシャーとスタッツも良好。ランブロックもよく、特にゾーンブロックが得意とのこと。また身体能力も高いためプルも期待ができそうです。JAXはゾーンも比較的多いですしGを飛ばすことも多いですからね。
なお、JAXの現OLコーチであるPhil Rauscherは前職がMINのOLコーチであり、Clevelandが指名された2020年はアシスタントOLコーチとして、2021年にはOLコーチとして直接指導しています。今回の獲得にはそういったことも背景にあったのでしょう。
何プレーか動画があったので載せておきます。
So many players contributed to Dalvin Cook’s 64-yard touchdown, but what an unbelievable effort from Ezra Cleveland pic.twitter.com/5yW5WJiZ3g
— Will Ragatz (@WillRagatz) December 18, 2022
かえって邪魔になっているようにも見えますがこのスピードと努力は素晴らしいですね。
ezra cleveland #LookForWork pic.twitter.com/0moxeJYoM9
— Luke Braun (@LukeBraunNFL) November 14, 2022
Strong game from Ezra Cleveland. Liked the way he played today pic.twitter.com/6mJ4EWDz0y
— Sean Borman (@SeanBormanNFL) November 14, 2022
ezra cleveland taking a 3T on vacation on this screen pic.twitter.com/LhECkVshqO
— Luke Braun (@LukeBraunNFL) October 11, 2022
2023年のスタッツ
OFF | RBLK | PBLK | |
---|---|---|---|
E. Cleveland | 73.8 (8) | 72.8 (8) | 72.3 (11-T) |
T. Shatley | 46.5 (52) | 44.5 (55) | 49.1 (52) |
※()内は280回以上ブロッキングしている60人の選手中の順位
もちろんPFF評価がすべてではありませんが、これを見ると優秀なスタッツを残しています。一方我らがスターターLGのShatleyさんは目も当てられません。これはグレードアップといっていいでしょう。
なお、被プレッシャー数は1試合当たりClevelandが1.7、Shatleyは1.25とShatleyの方が低いのですが、LawrenceはTime To Throw(スナップからボールを投げるまでの時間)が2.41sとMIAのTagovailoaについでリーグで2番目、一方MINのCousinsは2.86sで24番目。それを踏まえればShatleyより劣っているということにはならないと思います。
対価は妥当?
Clevelandはトレード候補として挙げられており、興味を持っているチームはあったようです。特にNYJは実際にMINにコンタクトをとったとのことですがJAXが見事勝ち取りました。
6巡で獲得したことはスティールだという人もいれば妥当という人もいるようです。少なくともoverpayとの声は聞かないですね。現地でも同様の感じで概ねWIN-WINのトレードではないかという感じですね。
なぜ6巡で出したのか?というのは下記の理由によるものだと思われます。
- 今年で4年目であり契約最終年であること
- ここ2週間は足の捻挫で欠場していること
- 欠場の間に獲得したDalton Risnerのパフォーマンスがいいこと
MINとしても怪我に備えてベンチに置いておくのも悪くないですがタダで出ていくよりはトレードして指名権を得た方がいいという判断だったのでしょうか。年齢や実力を考慮すると今オフFAでそれなりの契約をすることが予想されるので5巡くらいの補償ピックがもらえた可能性もありますが、確実性などを重視したということでしょうか。そのあたりはよくわかりません。
また、真偽は定かではありませんがClevelandはカレッジでLTとしてプレーしておりNFLでもLTとしてプレーすることを最終目標としているためGとしては契約延長する気がない、との噂もあります。MINには不動のLTであるChristian DarrisawがいるためLTは無理ですしね。もちろんJAXならできるというわけではないのですが…もしそれが本気なら長期を見据えてより1年のレンタルという感じになるのかもしれません。
現地のMINファンの反応も概ね2パターンに分かれていて、「6巡では安すぎる」というのと「Risnerいいからもういいんじゃないか」というものでした。
JAXにはフィットする?
上述したようにパスプロも今シーズンはいいですし、ランブロックもよさげなので両方に苦戦しているJAXにとってはピッタリの補強でしょう。
NFL Teams with the worst Pass Block win rate this season:
— Dov Kleiman (@NFL_DovKleiman) October 31, 2023
32) #Patriots - 43.6%
31st) #Jaguars 44.6%
30) #Saints 45.2%
(via ESPN) pic.twitter.com/SxzaFpb5OF
現在リーグワースト2位みたいですからね。一人だけで大幅に改善するとは思いませんが、少しでもパスプロが持てばLawrenceのロングパスも増えるかもしれません。ちなみに今年のLawrenceは20ヤード以上のパスでリーグトップレベルみたいです。
Trevor Lawrence: The best deep ball passer this season pic.twitter.com/AwROn1OupF
— PFF (@PFF) November 1, 2023
一方、心配というか疑問としてはLittleの扱いでしょう。最初の4週ではLTとして文句のないパフォーマンスを見せてくれていましたがCamの復帰に伴いLGへ移動、そこでもプレーは悪くなかったもののさらに怪我で離脱という不運な状況が続いています。
そこにClevelandが入ってスターターになるとすればこのままスイングタックルに戻すということでしょうか。RTとしてはHarrisonがいることとあまり適正がないことから基本的には使わないでしょう。来年Camが放出されるならLTとしてスターターになるとは思いますが、来年で契約最終年になりますしいつまでもベンチを温めさせるのもという気はします。なんとも不運ですよね。もしくは怪我から回復したらLittleをLGにしてClevelandは控えになる可能性もありますが今後を見てみないとわからないですね。そもそもLittleの怪我は想像しているよりも重症なのかもしれませんし。
その他のポジション
一方、補強補強とファンが騒いでいたのはパスラッシャーです。今年はAllenが爆発していますが、それ以外の選手は物足りずローテーション要員も十分でないことから獲得を熱望されていました。
昨年全体1位のWalkerは最近目立っている全体2位のHutchinsonと比較されることで特に批判の的になっています。Hutchinsonとっておけばと言われるのは仕方ないでしょう。ただそんなこと言ってもやり直せるわけじゃないので現実を見てみると、Walkerも成長はしています。サック数は現在3.5で去年のシーズン記録にすでに並んでいますし、前はブル一辺倒だったのが多少テクニックを使っているところも見受けられます。さらにランストップに関しては当初の期待通りですしカバレッジもそれなりです。ここは文句を言わずに今後の成長を期待するしかないと思っています。「全体1位」でさえなければJAXでは当たりの部類に入るいい選手だと思うんですけどね…
で、ここまではそんなに問題ないんですが、その控えが問題です。Smoot、Chaisson、Abdullahとなりますがイマイチです。Smootは怪我から復帰したばかりなので調子が出ていないのかもしれませんが、もしかすると怪我の影響でもうかなり厳しいのかもしれません。Chaissonは1巡指名で4年目にしてキャリアハイの2サックを記録していますが相変わらずのChaissonです。Abdullahはヘルシースクラッチだったり試合で見た記憶があまりありません。
それを考えると確かにトレード熱望は納得でしょう。ただここで確認しておきます。Clevelandトレードのあと、JAXに残された来年の指名権は自身の1〜7巡に加えて今年のドラフトでトレードダウンして獲得したNOの4巡、さらにTaylor、Keyの離脱による補償ピックが3巡、6巡の全部で10個になります。Manhertz、Marvin Jonesの離脱による7巡×2もありますが、数の制限でもらえないだろうとのことです。
その中で大事なのは、昨年のRidleyのトレードに関わる2〜4巡は今回のトレードでは使用できないことになっているということです。補償ピックももちろん確定ではないため使用できません。そうなると出せるのは1巡かNOの4巡、あとは5巡以下になります。1巡使うのはリスクが高いですし、今回のトレードで動いたSweat、Youngで使われたのが2巡、3巡であることを考えると噂されていたHunterやBrian Burnsなども対価としては同等かそれ以上になっていたことが予想されます。そうするとそもそもトップレベルのEDGEをとることは難しかったでしょう。強いて言えばNEのUcheが4巡とか5巡でとれたのではという話はありますが、そこもわかりません。
となると残る手は現在FAのベテランEDGEとの契約でしょう。幸い現時点でJAXはプレーオフを狙える位置にいます。そうなればリングの可能性を感じた選手がベテランミニマムで契約することもあるかもしれません。ちょっと見てみましたがMelvin Ingramくらいですかね?今年はそんなに期待できる選手はいなさそうです。結局このままになってしまいそうですね。
最後に
冗長になってしまいましたが、とりあえず穴を埋められたという意味ではいいトレードだったと思います。今年のオフェンスの苦戦はOLに依るところが大きいのでこれで少しでも改善してLawrenceが快適にプレーできるようになればいいなと思います。
現在幸いにして地区首位ではありますが、今後A北との3試合を含めてスケジュールが厳しくなってきます。HOUの調子がよさそうですし昨年のTENのようにここからの連敗でプレーオフを逃すなんてことも十分ありえます。しかも世間の評価も上がってきてこういう浮かれているときに気持ちを折られるのはありがちです。
BYE明けで健康になって臨めるのはいいことですが、それは相手も同様で次の相手はけが人が帰ってくるであろうSFです。3連敗しているとはいえSB候補チームですし、さらにYoungも加入しDLは頭がおかしいとしか言えない布陣になっています。なので勝つことは難しいかもしれませんが、もし負けたとしても次に引きずらないような怪我のない試合にしてほしいと思います。
次からできたらブログも更新しようと思うのでよろしくお願いします。