2021年レビューの最後はSTです。こんなところもMeyerのおかげでドラマがありました。ここには書きませんが…
Roster
シーズン前
2019年にFG33/34本成功、成功率97.1%でAll-Pro 2ndに選出されたJosh Lamboだったが2020年の11月にオンサイドキックの際に臀部を負傷しシーズンエンド。残りのシーズンはAldrick Rosasに託しまずまず無難な成績を残した。シーズン前に特に補強はなく、Lamboが怪我から復帰すればKは問題ないと思っていた。キャンプ中にRosasと競わせるなどの情報もあったがRosasはカットされ無事正Kの座へ。しかしプレシーズンではFG成功率が66.7%と悪く、怪我の影響も心配される状況で開幕へ。
PについてはLogan Cookeで何の問題もなし。
リターンについてはKRはChris Claybrooks、PRはKeelan Coleが担当。前年KR平均ヤード 24位、TD 0、PR平均ヤード 7位、TD 1。Meyerが就任してSTが重要だ、とのことで補強へ。結果Jamal Agnewを獲得。2017年のルーキーイヤーにパントリターンTDを2回記録しリターナーとしてAll-Pro 1stに選出。2018年こそTDがなかったものの2019、2020とTDを記録しておりリターナーとしてはかなり優秀。リターナーはキッキング、パント共に彼がリターンすることとなった。
成績
Field Goal
PAT | All FG | 0-19YDS | 20-29YDS | 30-39YDS | 40-49YDS | 50+YDS | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
G | XP/A | XP% | FG/A | FG% | FG/A | FG% | FG/A | FG% | FG/A | FG% | FG/A | FG% | FG/A | FG% | |
Matthew Wright | 14 | 13/15 | 86.7 | 21/24 | 87.5 | 7/7 | 100.0 | 7/7 | 100.0 | 3/4 | 75.0 | 4/6 | 66.7 | ||
Josh Lambo | 3 | 5/7 | 86.7 | 0/3 | 0.0 | 0/1 | 0.0 | 0/2 | 0.0 |
WrightはFG全体の成功率は18位タイ。40-49ヤードの成功率は28位、50ヤード以上の成功率は20位タイ。FG全体のPFFのグレードでは26位。
Kickoff
G | ATT | YPA | AFP | RET% | YPR | TB | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Matthew Wright | 11 | 31 | 61.3 | 32.6 | 83.9 | 29.0 | 5 |
Josh Lambo | 3 | 10 | 64.6 | 28.2 | 30.0 | 15.7 | 7 |
Logan Cooke | 5 | 21 | 66.5 | 28.9 | 47.6 | 31.3 | 10 |
※AFP:Average starting field position after kickoff
Punting
G | ATT | YPA | NET | LNG | I20 | RET% | TB | Hang Time | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Logan Cooke | 15 | 64 | 47.3 | 44.3 | 68 | 32 | 32.8 | 1 | 4.34 |
Rank | 8 | 2 | 9-T | 3-T | 5 | 1-T | 5-T |
24回以上パントを蹴ったPの中でPFFのグレードでは全体3位。
ちなみにNETはAverage Net Yards per Punt Attemptのことですが、これが何かというと、おそらく「(パント自体のヤード - リターンヤード)/パント回数」のことらしいです。要するにリターンチームの良し悪しも加味したスタッツということでしょうか。
Kick & Punt Return
Kicking Return | Punt Return | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
G | RTN | YDS | LNG | YPA | TD | RTN | YDS | LNG | YPA | TD | FC | |
Jamal Agnew | 10 | 22 | 525 | 102 | 23.9 | 1 | 11 | 74 | 14 | 6.7 | 0 | 21 |
Jaydon Mickens | 6 | 14 | 173 | 29 | 21.6 | 0 | 6 | 82 | 48 | 13.7 | 0 | 9 |
KR平均ヤードは16位、TD 1、PR平均ヤードは16位、TD 0。
ちなみにAgnewにはこれに加えてFG Return TDがある。
シーズン振り返り
#15 Matthew Wright
評価:B-
Lamboがカットされたことで、DETにWaiveされストリートにいたところを拾ってきた。今までのキャリアで成功率100%だったが最長46ヤードと50ヤード以上を蹴ったことはなく正直未知数のまま契約。そしてデビュー戦のCIN戦では無難にPATを3本決め、続くTEN戦ではPATを1/2、50ヤード超のFGを外しやはり長距離は難しいかと思っていた。そして前年からの20連敗で迎えたMIA戦。17-20と追いかける展開で第4Qへ。残り3分44秒で54ヤードのFG。蹴った瞬間右側に外れ、やっぱり長距離は無理なやつか…と諦めたところ急激に左にカーブしゴールポストに吸い込まれた。
How did Matthew Wright curve his field goal like this? pic.twitter.com/XuQMpUcomk
— Billy Heyen (@BillyHeyen) 2021年10月17日
さらに20-20で迎えた第4Q残り1秒で53ヤードのFG。決めれば1年以上ぶりの勝利という相当プレッシャーのかかる中でしっかり成功させ勝利へ。スタジアム中が大歓声に包まれた。そしてその週のAFC Player of the WeekのST部門に選出。
Matthew Wright's game-winning field goal at @SpursStadium was epic!
— NFL UK (@NFLUK) 2022年2月25日
Relive it from every angle!@Jaguars pic.twitter.com/ufQC3kc5nj
そんなこんなでシーズンが終わってスタッツを振り返るとやはり短距離に関しては安定しているものの長距離の成績は良くない。まぁそれでも大場面できっちり決めてくれたのは評価できるし来季も任せられるかなとも思うのだが、彼の悪いところは実はFGではなくキックオフ。
21回以上キックオフを蹴っているKの中でWrightの成績は、
・リターン率 ワースト1位
・キックの平均距離 ワースト2位
・キッキング後のオフェンス開始ポジション ワースト1位
・タッチバック回数 ワースト1位
これはひどい。もちろんカバーチームも悪かったのはあるが、見てても体感で明らかにキックの距離が短くエンドゾーンに届かない上に、毎回リターンされてそれなりにゲインされていた。それを見かねてか途中でCookeにキックオフが変更になったが、怪我のこともあり結局はWrightへ。STCが替わったことでカバーチームが改善すれば多少良くなる部分はあるが、キックの飛距離に関しては個人の問題。FGの40ヤード以上の成功率が低くなっているのも含めて純粋にキック力不足なんでしょう。おそらく練習やコーチングでそう簡単に伸びるものではないと思うので今後の正キッカーの座は安泰ではないと思います。
# 4 Josh Lambo
評価:C
途中でいなくなってしまったが残念ですが、調子が悪かったのは事実。プレシーズンからずっと悪かったのでこれは怪我が影響したのかそれともMeyerの嫌がらせのせいなのか。今シーズンの彼の一番の功績はメディアにMeyerに蹴られたことをリークしてMeyerをクビに追いやったこと。詳しくはもう思い出したくもないので書きませんが…
調べてみたらPITのPSに登録されているようですが、今年はどうなるのでしょうか。JAXにはフィールド外でも貢献してて人気もあるので、もし怪我の影響がないのであればMeyerももういないし戻ってきてほしいところです。まぁないと思いますが。
# 9 Logan Cooke
評価:A+
上記スタッツでも分かるとおり文句のない活躍をしてくれた。しかも来シーズンで27歳と意外と若い。JAX唯一Pro Bowlの可能性もあったと思うが、残念ながら膝の怪我で最後2試合を離脱。今年は怪我から復帰してもらって、以降は怪我なく末長くお願いしたいです。
#46 Ross Matiscik
評価:-
LSを評価できるほどの知識はありません。少なくともスナップミスはなかったんじゃないでしょうか。来年も継続だと思います。
#39 Jamal Agnew
評価:B+
リターンTDが派手なため誤魔化されてる感があるが、スタッツ上は意外と期待していたほどではなくPRに至ってはあのJalen Reagorよりも平均ヤードが少なく14回以上キッキング or パントリターンした選手の中でワースト4位という体たらく。ただそれでも2つのリターンTDは十分な出来。しかもそれがWeek 2、3と連続できたので一体いくつTDを獲ってくれるのかと少し期待してしまった。今年はSTCが替わってリターンチームもレベルアップするはずなので、もっとAgnewを活かしてTD以外のスタッツも改善してくれることに期待。
Week 2のDEN戦でのリターンTD。
Jamal Agnew goes over 100 YARDS for the kickoff return TD! #DUUUVAL
— NFL (@NFL) 2021年9月19日
📺: #DENvsJAX on CBS
📱: NFL app pic.twitter.com/P2inBAFTSQ
Week 3のARI戦のFG return TD!109ヤードリターンはNFL史上最長タイの記録。
109 YARD KICK RETURN!
— The Athletic (@TheAthletic) 2021年9月26日
Jaguars’ Jamal Agnew returns this Cardinals' missed 68-yard field goal attempt for a TD, tying the longest return in NFL history.
🎥 @NFL pic.twitter.com/7PABlC37Q4
# 4 Jaydon Mickens
評価:B
怪我をしたAgnewの代わりにTBのPSから獲得。実は彼は2017-2018年にJAXに所属。当時からリターナーとして試合に出場していた。キャリアで2017年JAX所属時に一度のパントリターンTDあり。あまり派手な活躍はなかったものの無難にヤードを稼いでおりTDを除けば平均でも実はAgnewよりも上だった。
2022年の契約状況と展望
STの流出はMickensのみ。上のスタッツを見ると少し惜しい気もするが、流石にリターナーで2枠は使えないので残念ながら再契約はなし。
Kについては既に問題を把握しているのかRyan Santosoと契約。5年目と書いたが実際は試合経験は2019年の3試合(キックオフのみ)と2021年の4試合(CARで1試合、DETで3試合)のみ。DETでのスタッツはPAT 5/6 83.3%、FG 2/3 66.7%。
FGを外した試合というのがWeek 10のPIT戦。おそらく正キッカーが怪我か何かでPSから昇格になっており、前半はFG、PATともに成功して10-10で折り返し。その後DETのTDで16-10とリードするもここでSantosoがPATを右に逸らし失敗。そしてPITがFGを2本決めて16-16でOTに突入。実質彼のせいで一度勝利を逃している。OTではDETが先行で攻撃するもパント。しかし次のPITの攻撃でWR Diontae Johnsonがファンブルし自陣45ヤードから攻撃開始。そしてなんとか敵陣30ヤードまで進み48ヤードのFGアテンプトとなり決めれば勝ちの展開に。Santosoがキックしボールはヒョロヒョロと右側へ流れながら進みショート。ディフェンスの手でも当たったのかという軌道だったがただのミスキック。この日彼のせいで二度勝ちを逃している。ちなみにその後はお互い勝ちを譲り合い引き分けに。この試合を最後にRoster昇格はなく最終的にはLARのPSに。
このKではWrightの方がマシという結論になってしまうのでは…?彼には全く期待できないと思うので今年のドラフトかUDFAでの獲得を希望します。今年はドラフトに優秀なキッカーは出てくるのでしょうか。ちなみにPはMatt Araizaというとんでもないのがいるらしく一応Kもできるみたいなので惹かれる気持ちはありますが…。CookeもいるしJAXは獲らないと思いますが、どこがとるのか、何巡で獲られるのかは少し楽しみです。
リターナーに関してはAgnew一択でしょう。リターンチームもレベルアップするはずですし、怪我さえしなければまたリターンTDを見れると期待しているのでよろしくお願いします。