Jaguars Note

NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

Jaguars Note

Arden Key加入

Embed from Getty Images

先日久しぶりのJAX関連のニュースがありました。Arden KeyがJAXと契約!EDGEの補強は一切していなかったこともありファンの間ではこれが何を意味するのかなど話題になっているようですが、簡単に情報をまとめてみたいと思います。

Arden Key

選手について

DE Arden Key  6-5 240lbs 25歳 UFA/SF)
College: LSU Entry: 2018 Draft, 3R, #87 overall, OAK

6-5の長身、体重は240ポンドとDEの中でも軽量級でスピードタイプのEDGEラッシャー。ドラフト時の評価としては、リーチの長さについても評価されていたが、技術的には未熟でありNFLでの成長が必要との評価だった。

2018年に当時のOAKにドラフトされ、3年で27試合に出場、10試合に先発し、49タックル、3サック、8TFL、26QBヒットの成績。あまり成績としても芳しくなかったからか2021年4月15日にWaiveされ、その後ClaimされずFAへ。その6日後の4月21日にSFと1年1.04Mで契約。NFLトップレベルのEDGEであるNick BosaArik Armsteadといったメンバーのローテーション要員として17試合全てに出場し、22タックル、6.5サック、5TFL、17QBヒットを記録。サック数はチームでBosaに次ぐ2番目の成績。

今オフにUFAとなり、JAXに訪問の後にDET、BAL、KCに訪問。しばらくニュースはなかったため他所に行くと思っていたが、3月30日にJAXと契約のニュース。おそらくその前日に発表されたBrandon Linderの引退に伴い空いたスペースを利用したと思われる。

スタッツ
      Tackle Pass Rush Coverage
  G GS TKL SOLO MIS% TFL FF PRSH% QBP SK WIN% PD INT
Arden Key 17 0 22 11 8.3 5 0 99.2 36 6.5 14.6 1 0
Jihad Ward 17 1 29 19 15.8 3 0 93.8 17 2 7.4 0 0
Josh Allen 16 15 71 46 6.6 12 1 88.3 50 7.5 15.7 4 1
Dawuane Smoot 16 10 36 22 12.2 7 1 94.4 50 6 16.1 3 0
K'Lavon Chaisson 15 8 31 20 18.4 3 0 63.3 15 1 10.9 0 0
Lerentee McCray 12 0 11 7 15.4 1 0 48.0 0 0 0 0 0
Jordan Smith 2 0 1 1   0 0 100.0 0 0 9.1 0 0

2021年にはDLとして370スナップ、うち76スナップをIDLとしてプレーし、その大半はニッケルパッケージで明確なパスシチュエーション。そしてそれぞれのサック時のシチュエーションをTwitter上に上がってきていた表から記載(公式では6.5サックだがPFFやこの表では8サックのカウント)。

  Stance Allignment Down/Distance Oppoonent
#1 3-point 6T 2nd/6 ARI - TE
#2 3-point 3T 1st/9 LAR - LG
#3 3-point Loose 3T 3rd/6 JAX - RG
#4 3-point 3T 3rd/7 SEA - LG
#5 3-point 3T 3rd/5 CIN - LG
#6 3-point 1T 3rd/8 ATL
#7 3-point Wide 9 3rd/3 HOU - RT
#8 3-point 3T 3rd/10 LAR - LG

上の表を見てみると
 ・全て3ポイントスタンス
 ・ほとんどアウトサイドではなく3テク
 ・ほとんど3rdD、特に3rd&longのパスシチュエーション
 ・相対しているのはG
という傾向があることがわかる。そしてサック数自体はそこまで目立たないものの、スナップ数を考慮した「パスラッシュのスナップに対するサック数(パスラッシュのスナップ130回以上)」では15位/222人と好順位でかなり有効にラッシュができている。ちなみにトップ3はT.J. WattMicah ParsonsRobert Quinnで、Allenは69位、Smootは79位)。

まとめると、このスタッツから彼はAllenなどのような純粋なアウトサイドラッシャーというよりは、サイズ・リーチの長さ・速さのコンビネーションを利用して遅いGに勝つことができるインサイドラッシャーで真価を発揮すると推測される。

現地の記事でも起用方法についておおよそ下記の様なことが記載されていた。

  • SFでは4-3がメインだったが、3-4でその真価を発揮する。
  • 3-4のベースディフェンスではOLBとして2ポイントスタンスでセットするだろうが、4-2-5のDEとしても機能する。
  • 3rdDでは内側にスライドし、トップインテリアパスラッシャーとしてHarrisAllenHutchinson(予想)と同時にプレーする可能性がある。
  • JAXは彼をEDGEの3番手としてSmootと共にAllenHutchinson(予想)の後ろに控えるが、それに加えてインサイドラッシャーとしてDLを主導する。彼はインサイド/アウトサイドプレイヤーとしてGに対して最も効果を発揮する。
契約

期間 :1年(2023/UFA
総額 :4.0M
保証 :3.0M(ベースサラリー + サインボーナス)
年平均:4.0M

  Base Signing Roster Workout Cap Hit Dead Cap
2022 1.5M 1.5M 0.5M 0.5M 4.0M 3.0M

これに加えてサック数、Pro Bowl選出に応じてインセンティブが最大3M加算されるので最大7M/年の契約に。

今年のFAでは全体的にoverpayが続いていましたが、今回はJAXにしては相当いい契約を結んだと思います。他にも欲しがるチームがある中でこの額は大変お買い得ですし、どう転んでもチームに悪影響はありません。大活躍してPro Bowlに選ばれても7Mなら安いものですし、昨年の活躍がたまたまだったとして思ったよりサック数が稼げなかったとしても4Mのみです。もちろんインセンティブ全部持っていってくれるのがベストだと思います。

感想

評価:A

上記のように、現状インサイドパスラッシャーは計算できる選手がHarrisしかいないので大きな戦力になってくれると思います。それに加えてアウトサイドのデプスも厚くなるのでしっかり穴を埋めてきたという印象です。契約についても非常にリーズナブルで今回の契約に悪い点はほぼないです。1年契約というのは短いですが、今季の活躍次第では長期契約も検討してほしいところです。その頃には他のチームに引き抜かれてしまいそうですが。

また、EDGEを補強したのだから、ドラフト全体1位はEDGEではなくOLになるのではないか、との意見もあるようですが個人的には大きな影響は与えないと思います。まず1つ目は上で述べたように今回のKeyの加入の一番の目的はただのEDGEのデプス要員ではなくインサイドラッシュの改善にあったのではないかと思うので、メインのアウトサイドラッシャーは変わらず欠けており、未だトップのニーズだろうということ。2つ目は今回は1年契約であり、長期の再建の核になるとは考えていないはずであること。3つ目はCamと長期契約を考えていてRTはTaylorLittleを競わせる可能性が高いこと。以上からはEDGEの指名は固いんじゃないかとは思っています。とはいえGとしてNealを取る可能性はないわけではないですし、Baalkeのやることは何にも信用できないのでどうなるかは分かりませんが…