Jaguars Note

NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

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【2022シーズン】WC vs LACレビュー

まず最初に、前半で完全に心を砕かれて投げやりツイートばっかりして特に諦めずに応援しているファンの皆様の中には嫌に思った人もいるかもしれないので謝ります…。前半0-27の時点でそれでも諦めずに応援していたファンは本物だと思いました。

やばかった。まさかあそこから大逆転できるなんて…。正直ここまで興奮した試合は2017年のPHIが優勝したSB以来です。前半と後半で違う試合を見ているようでした。あの試合展開を予想できた人なんていないでしょう。Lawrence、Pederson最高!

INACTIVES

JAX

いつも通り。スターターは揃ってます。

LAC

事前に情報のあったMike Williamsの他は試合には影響なしです。

試合結果

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
JAX 0 7 13 11 31
LAC 17 10 3 0 30

Team Stats

Player Stats

試合の流れ

1Q

JAXのレシーブで試合開始。Etienneの中央のランで4ydsほど進んだ後、Lawrenceプレーオフ最初のパスプレー。RPOでKirkが中央に入ってきたところを狙いましたが、投げたボールが低く、Scherffを抜けてきたDT Sebastian Joseph-Dayの手にボールが当たりさらにJoey Bosaが弾き、LB Dru TranquillINT。これはLawrenceの責任でしょう。

その後Lloydのカバーが悪くTE Donald Parham Jr.がレシーブ。その次のプレーでEkelerにあっさりTDを許し、0-7OluokunがTEにブロックされ、LloydもRTをかわそうとしたんでしょうがうまくブロックされ結果的にカットバックするスペースが空きました。

続くシリーズはEngramへのLawrenceらしいパスで16yds前進。その後もEngramEtienneのランで1stダウンを更新しますが、DLのプレッシャーもありLAC 33yd地点で4th&7へ。そこでなんとFGではなくギャンブルを選択し、CBのディレイブリッツに焦ったのかZay Jonesに投げたボールはCB Asante Samuel Jr.INTZay Jonesはおそらくイリーガルコンタクトだと思ったのでしょうがノーフラッグ。

返すLACの攻撃ではプレッシャーがかかったと思ったらHerbertのナイスサイドスローでTE Gerald Everettに通り、Oluokunのタックルミスでロングゲイン。その後はゴール前まで進むもなんとかFGに抑え、0-10

次のシリーズは3&OUTでパント。LACの攻撃もRRHのTFL、PBUで3&OUT。

次の攻撃ではMarvin JonesへのロングパスがAsante Samuel Jr.に妨害され、一時はイエローフラッグが飛びDPIと思われましたがノーフラッグへ。その後Etienneのランを挟んで次のプレー。クロスで入ってきたEngramへのパスをAsante Samuel Jr.に狙われ、この試合2つ目のINT

その後Ekelerの3連続ランプレーでTD0-17。全プレーWalkerがTEに取られ続けてました。1回は青天されてましたね。その後数プレーで1Q終了。

2Q

3rdダウンでパスを選択するも出せる場所がなく、その間にブリッツに入ってきたLBとDTがサック。パント。あわやブロックだったがぎりぎりセーフ。

LAC攻撃で自陣45yd地点まで進まれるもAllenがサック。その後結局はゴール前に進まれ、一度はCiscoのナイスPBUで防ぐもその後EverettTDMumaがマンカバーしてましたがダメでした。0-24

続くキックオフではAgnewが50yd地点まで52ydsのナイスリターン。その数プレー後にAsante Samuel Jr.のこの日3つ目のINTを献上。プレーオフでの3回のINTは史上初だとか。

続くオフェンスを3&OUTとしパントとなったものの蹴ったボールがジャマーのClaybrooksのヘルメットに当たってしまいLACがリカバー。この日5つ目のターンオーバー。絶望的な状況。ポストシーズンの歴史上、TOマージン+3以上では勝率93.8%との情報。つまりJAXの勝率はわずか6.2%程度と思われました。

しかしRZでディフェンスが踏ん張りFGに抑え0-27に。

残り前半4:25。なんとか前半一つでも返して前半を終えたいところですが、3&OUT。ここまでの7シリーズが、INT, INT, 3&OUT, INT, 3&OUT, INT, 3&OUT。しかしLACもそれに付き合い3&OUT。

1:47からのオフェンス。この辺りからついにLawrenceが落ち着きを取り戻してきます。Etienneへの短いパスから繋いでいき、4th&1をMarvin Jonesへのパスでクリアし残り32秒。2nd&5から相手のゾーンカバーのLBの裏を狙った見事なパスがEngramに通りTD。キックも決まり7-27と3ポゼ差に戻して前半は終了。

3Q

CookeのキックでLACオフェンスで後半開始。開始早々RRHがTFL。3rd&longに追い込むもオフサイドでフリープレー、そこでCiscoがカバーをミスしてEverettへパスが通ると25ydsのゲイン。そこからはQBへのプレッシャーもかかり始めミスを誘いパントへ。

ここからテンポ良く左右に投げ分けながらRZへ進入。しかし3rd&7でCBブリッツで抜けてきたBryce Callahanにサックをされピンチ。ところがBosaの疑惑のオフサイドでそこを乗り切ると、Etienneのモーションからのトススイープで更新しゴール前1ydへ。ところがそこでディレイオブゲームで5yd罰退という痛恨のミス。でもLawrence率いるオフェンスは気持ちを切らせませんでした。3rd&Goalでミスできない場面で、今日やられ続けていたAsante Samuel Jr.を振り切ってワイドオープンとなったMarvin Jonesへ完璧なパスでTD14-27と点差を縮めます。

LACオフェンスでは再びEverettにやられるものの、JAXディフェンスがブリッツを多用するようになったからなのかプレッシャーが掛かるようになり50ydのFGへ。このFGDickerがしっかり決めて14-30

キックオフリターンをAgnewが32yd地点までリターン。ここからEtienneのナイスランなどで敵陣39yd地点へ。そこからディープに走ったZay Jonesがワイドオープンとなり完璧な軌道で投げられたボールはエンドゾーンへ。見事なTD。2PTを狙うもそこはまたAsante Samuel Jr.に阻まれ失敗。20-30に。

4Q

開始直後にフォルススタートで下がるもののJosha Palmerにパスを通され、その後Fatukasiがサックをした!と思ったらWalkerがいらんことをしてラフィングザパサー。それでも3rdダウンまで追い込みますが今度はHerbertスクランブルで更新。その後もズルズルと進まれますが、22yd地点で4thダウンへ。ここで40ydのFGとなるも、まさかのDickerがFG失敗しターンオーバー。

続く攻撃では今まで頑張っていたLittleMackを漏らしてしまいサック。そのプレーでおそらく指を踏まれてしまい出血。左手だったのでまだ助かりました。その直後のプレーで厳しめの判定でDPIとなり1stダウン更新。Zay Jonesへのパスが地面についているのではとチャレンジされるも判定は覆らず、その後もKirkEngramへのパスでゴール前へ。そしてKirkがCBを振り切りそこへいい位置にボールを投げてTD

このままFGと思われましたが、Bosaのアンスポーツマンライクコンダクトで1yd地点になったため2PTコンバージョンを選択、Lawrenceのスニークで2PT成功28-30に。

残り5:25で次止めればチャンスというところで最初のプレーでRRHがサック。その後もチェックダウンのパスが続き3&OUT、Lawrenceに逆転ドライブが託されることに。

残り時間3:09。時間使い切ってFGでも決めれば勝ち、取れなければ負け、というシチュエーション。最初のプレーでKyle Van Noyに弾かれてあわやINT。そこからは主にパスで進み、敵陣40yd地点で3rd&1。ここでスニークとかランと思いきやパスプレーで失敗し4th&1の展開。ここでプレーの直前にPedersonがタイムアウト。そしてバックフィールドに3人セットさせるさせるフォーメーションに変更。スニークを後ろから押すプレーと思いきやEtienneのアウトサイドのランで敵陣16yd地点に進入。

そしてランで時間を使い残り3秒でタイムアウト。36ydFGとなり、決めれば勝ち、外せば負け、というシチュエーション。そのFGPattersonがしっかり決めて31-30と大逆転でJAXの勝利。なお最後の5シリーズはTD, TD, TD, TD, FG

作った記録など

  • ワーストレコードの翌年にプレーオフを勝利した初めてのチーム
  • プレーオフ史上3番目の点差からの逆転勝利
  • Lawrenceの高校からの土曜日無敗記録継続
  • ホームの直近5試合全て逆転勝利

  • TOマージン-5でプレーオフを勝利した初めてのチーム

よかったところ

劇的勝利!

色々個人のこととか書くべきところはあるのかもしれませんが、今回はこれに尽きると思います。選手はもちろんですが、今回はPederson率いるコーチ陣が勝利に大きく貢献したのではないかと思ってます。

前半は一時0-27と絶望的な点差となり、見るのをやめたくなるレベルでした。それを大逆転し勝利を収めたわけですが、個人的に勝負を分けたと思った6つのポイントを記します。

このポイント以外にもディフェンスが後半ほぼシャットアウトしたことなどもありますが、これはディフェンスが後半に向けて完全に適応したというよりはLACオフェンスの問題が大きかったのかな、と思うのでこの中には入れてません。

1. 前半で7-27に

前半あまりにもひどい試合でしたが、そのまま後半を迎えていたらおそらくこの逆転はなかったと思います。前半のうちにしっかりTDをとり、3ポゼ差に縮めた上にいい流れで後半に臨めたことは非常に大きかったと思います。オフェンス自体もそのドライブから明らかに落ち着きを取り戻して好調時のJAXオフェンスに戻っていました。

2. 前半最後のニーダウン

もちろん残り24秒で自陣15yd地点と考えるとそこからFGを取るのは難しかったと思いますが、後半はLACの攻撃からということもあり、点は取れないにしてもそこである程度進まれると嫌な流れで後半に臨んだかもしれません。なのでJAXとしてはここでニーダウンを選択してくれてよかったと思います。

3. DickerのFGミス

今シーズンPHIでも1試合プレーし、そこでSTPOWを獲得しましたし、LAC加入後もSTPOW、12月のSTPOMを獲得し、FG成功率95%とリーグトップとルーキーながら非常に優秀なキッカーであることは間違いないと思います。しかもこの試合でも直前に50ydのFGを成功させていたので40ydのFGはまず決めるだろうと思っていました。ところがここがプレーオフの怖いところなのかまさかの失敗。もし決まっていれば2TDが必須だったためその後の戦略も大きく変わったはずです。Dickerには申し訳ないですがJAXとしては非常にありがたかったです。

4. Bosaの反則

この日Bosaは2つのアンスポーツマンライクコンダクトをとられています。1つ目は3つ目のTD後、2PTコンバージョンを失敗した後。Taylorがホールディングっぽかったことに怒ったのか何か暴言を吐いたようでした。2つ目は4つ目のJAXのTD後。審判がTaylorのフォルススタートを見逃したと考え、それに抗議しサイドラインでヘルメットを2回地面に叩きつけており、それで反則をもらってます。

それにより1yd地点からの2PTコンバージョンとなりLawrenceのスニークで2点を取ることができました。後のPedersonのインタビューによれば、反則がなければ2PTは狙いに行かなかったと明言していますので、ここは大きかったと思います。

確かにここだけ見ればフォルススタートと言われてもなんとも言えません。しかしTaylorはシーズン通して常にこれくらいの微妙に早いスタートを切っています。それがシーズン通して反則を取られていない、ということはそういうことなんでしょう。

5. 最後のLACオフェンスの1stプレー

28-30になり後はディフェンスが止めればウィニングドライブというところ。逆に言えばLACが時間を使い切って攻めれば勝利が確定する場面。その1stプレーでのRRHはかなりのビッグプレーと言えると思います。ここで2nd&17となったことでLACオフェンスが取れる選択肢は相当減り、JAXディフェンスも守りやすくなったと思います。2プレー目のスクリーンも読めていたと思いますし、3つ目も4menラッシュでゾーンを厚くし、DLのプレッシャーがかかり投げる場所もなくチェックダウンに投げられたところをしっかりタックルできました。こうして3&outにできたのはやはり最初のサックは大きかったと思います。

6. 4thダウンのプレー選択

最後にFG決めれば逆転という場面でしたが、ディフェンスに粘られ敵陣41yd地点で3rd&1となりました。ここはスニークだろ、と思ったんですがまさかのパスプレーで失敗。このプレー選択はどうだったんだろう、と疑問には思いました。そして4th&1。おそらく最初は普通のEtienneのランをコールしていたんだと思います。ところが相手のフォーメーションを見て出ないと思ったのか、プレー直前でタイムアウトをとりました。そこで選択したのがあのプレー。バックフィールドにEtienneと2人のTE(FarrellManhertz)をセットさせ、スニークと思って前に突っ込む相手をインサイドに押し込み、残ったAsante Samuel Jr.は浮かせてEtienneのスピードで外をまくるという素晴らしいプレー。そういうプレーについては詳しくないですが、この動画でも解説をしています。前回対戦時にRobinsonがTDしたプレーと似ているようですね。

なお、PedersonによればこのプレーはOLコーチ兼Run Game CoordinatorであるPhil Rauscherが考えたプレーとのこと。今年のOL自体も大きく改善していますし、もしかしたらなかなか優秀なコーチなのかもしれません。

Little奮闘

これは一応書いておきたかったので。Cam Robinsonが膝の怪我でシーズンエンドとなり、Week 16のNYJ以降先発LTとしてプレーしています。3試合で8QBプレッシャー、1サックとなんとも言い難いスタッツでしたが、今回の試合ではQBプレッシャー、サックともに0(PFFによれば。MackのサックはLittleがやられているように見えましたがどういうカウントの仕方なんでしょうか)。また最後のドライブではあのMackを完封という将来に期待ができる出来でした。

これはオフのOL事情に影響してくるかもしれません。またそれについてはオフにまとめたいです。

悪かったところ

この劇的勝利の中こんなこと書くのは野暮なのですが、一応これだけ挙げておきます。

前半のLawrenceの乱調

前半最初のパスプレーのINTを皮切りに前半だけで4INTを喫しました。途中までのQB Ratingは0。初めてのプレーオフで緊張していたんでしょうか。

  Tgt Comp Yds TD INT QB rating
1st half 24 10 77 1 4 24.5
2nd half 23 18 211 3 0 144.5

とにかく前半最後のドライブまではいいところもなく表情も悲壮感が漂って見えました。ただそう見えただけで多分内心は逆転に向けて闘志を燃やしていたのでしょう。このメンタルはまさにフランチャイズQBという感じで素晴らしいと思いました。普通なら4INTしたら心折れそうです。LACもLawrenceを惑わせようとディスガイズなど頻繁にやっていたので、最初はそれに騙されてしまっていたのがだんだん読めるようになってきたのかもしれません。後半に関しては文句なしでした。2年目でこれだと今後が楽しみですね。怪我さえなければAndrew Luck以来の逸材というのが本当になるかもしれません。

最後に

JAXを見始めたのは2017年なので、その年に追いつくにはもう1勝なのですが、当時はユニフォームがかっこいい、というのとサックいっぱいしててすごいなぁという感じで見てただけだったので、その時よりもチームのことをわかっている状態で臨むプレーオフは別格でした。とにかくみんなにおめでとうと言いたいです。

いつまでもこの勝利の余韻に浸っていたいところですが、来週はついにKCという邪悪なチームとの対戦となります。LACより数段レベルは上ですしコーチもあのAndy Reid、とメンバー、戦術など何をとっても勝てる要素はほぼなくプレビュー書くのも嫌になりそうですが、今回の試合を見たので4ポゼ差がついても諦めずに最後まで応援し続けたいと思います。スラムダンクのように「LACとの死闘に全てを出し尽くしたJAXは続くDRでKCにウソのようにボロ負けした…」となりそうな気はしますが…。万が一勝ったらそこでもうSB優勝でしょう。