Jaguars Note

NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

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【2022シーズン】シーズンプレビュー①

シーズンが開幕しJAXの初試合まであと約2日となりましたが、今シーズンのプレビューを書いてみました。

かなり長くて読みづらくなってしまったのでいくつかに分けます。第一弾は昨年からの流れとオーナー、GM、HCなどについてです。

昨年の戦績

3-14(同地区1-5) 地区4位

詳しいことは昨年の各ポジション毎のシーズンレビューにも記載していますが、とにかくひどいシーズンでした。Trevor Lawrenceをドラフトした時がピーク、その後はオーナーのShad Khan、GM Trent Baalke、HC Urban Meyerの3人にとにかく苦しめられました。選手がどうこうよりもフランチャイズ全体の機能不全というのが露呈したシーズンだったと思います。

オーナー

2012年にShad Khanがオーナーに就任しそれ以降、地区優勝1回、2位0回、3位3回、4位6回と2017年以外は完全なドアマットチーム。また、2017年を除いた9年で10敗以上を喫しています。HC、GMの人事については疑問が多く、オーナーとしての資質を疑われています。

昨年ファンや現地メディアにデモのような行動(Khanを批判するために最終戦にピエロの格好をしたファンが集まる、TwitterのアイコンがKhanを模したピエロで埋め尽くされる、など)を起こされてもGM Baalkeを残留させたことは今でも多くのファンが疑問に思っています。

一方、今年は今までの失敗を反省して勝つために頑張る的なことを言っていたような気がしますが、確かに今年は前年のMeyerの電撃就任の反省を活かしたのかHC選びを非常に慎重に行い、Doug PedersonというSB優勝経験のあるHCを招致できました。その点はいい点だと思います。

なお余談ですが、彼はJacksonville Jaguarsの他にイングランドのサッカークラブであるFulham F.C.も所有していますが、彼が就任してから2部リーグに降格、その後も昇格・降格を繰り返す弱小チームとなっているようです。これはたまたまなのか…

GM

悪名高いTrent Baalkeです。元々は1998年にスカウトとしてNFL入り、2005年にSFに採用された後は順調に出世し、2011年にGMへ昇進。そのシーズンで前年6-10だったチームを13-3に変えたと評価され、2011年シーズンのPFWA Executive of the Yearに選出されました。しかしドラフトでは良い結果を残せず、さらにチーム躍進の要因の一つであったHC Jim Harbaughを権力争いの末に追い出し成績は急落下。2016年に2-14という最悪の成績を残したところで解雇されました。

2020年にJAXに入り、その年に当時GMのDave Caldwellが解雇され暫定GMとなり2021年から正式にGMとなりました。GM初年度のFA、ドラフトでも適切な補強はできず(個人的には2021年ドラフトは言われるほど悪くないとは思いますが)チームも散々な結果。チームを一新するためにGMも解雇されると思われましたが、上述のデモ行動が起きるもお構いなしに残留が決定しました。彼は非常に政治力があり、上に取り入るのがうまいタイプなんだと思います。上昇志向も強く権力を握りたがるためHCとはうまくいかないんでしょう。今回のHC選びでもそこがかなり足を引っ張っていたとの噂がありました。HCがPedersonとなったことでうまくやってくれるといいですが。

今年のFA、ドラフトでも疑問を感じることはあったものの、オフシーズン突入当時考えていたよりは悪くないです。ドラフトについてもAldon Smithのことなどから反省したのか素行面もかなりチェックして怪しい選手は除外していたようですし、コーチングスタッフとも綿密なコミュニケーションを行っているようでした。

前HC Urban Meyer

昨年の悪い意味でNFLを賑わせた人。NFL史上2番目の早さで解雇となりました。彼がやったことを並べてみるだけで酷さは分かるかと思います。1年弱でこんなに問題って起こせるんですね。1年を無駄にしました。

1/14
HC就任。
1月下旬
Deebo SamuelAaron DonaldJamal Adamsなどをよく知らない、と発言。
2/11
Iowa大学で黒人選手への虐待や差別をしていたらしいChris DoyleをDirecror of sport performanceとして採用し全米メディアから猛批判。数日で彼を解雇。
3/19
NFLのFAの仕組みについて苦言を呈する。
 カレッジと違って直接会って話す時間がほとんどないままに契約が成立することに疑問を覚えたとのこと。
5/20
TEとしてかつての教え子であるTim Tebowと契約(シーズン前に解雇)。
7/ 1
OTA中の規約違反(WRとDBの接触について)で罰金、翌年のOTAを一部剥奪(Meyerが解雇されたことで無効に)。
キャンプにて
Charkにブロッキングの居残り練習をさせたせいか、指を骨折しプレシーズンを全休。
9/22
毎試合がAlabamaを相手にしているようだ、との発言。
10/ 3
Wk4のCIN戦後にチームと別行動をとりOhioへ。そこで下記のビデオを拡散される。その後謝罪。

11月
WR John Brownが契約直後にルートを間違えたことで激しく批判。ミーディングでも選手が泣くほど厳しく非難。彼が激しくドアを閉めて退室した後にアシスタントコーチや他の選手がその選手を慰めていた。
12/ 6
Wk13のLAR戦の1stドライブでJames Robinsonファンブル。その後4QにLawrenceが直訴するまでほぼ1試合にわたってRobinsonをベンチに。Robinsonも不満を露わにした。
12/11
アシスタントコーチのことをLoserと呼ぶ、Marvin Jonesと口論になる、などと報道。
12/15
Josh LamboがMeyerに蹴られたことをメディアにリークし、その直後に解雇。

新HC

Meyerの際にKhanがあっさり決めてしまったことを反省したのか、あらゆるところに手を広げてHC探しを行いました。前LV STC Rich Bisaccia、前TB DC Todd Bowles、元DET HC Jim Caldwell、前IND DC Matt Eberflus、前GB OC Nathaniel Hackett、前TB OC Byron Leftwich、前DAL OC Kellen Moore、元HOU HC Bill O'Brien、前LAR OC Kevin O'Connell、前DAL DC Dan Quinnと多数の候補者にアプローチし、一時は元JAXの選手でもあるLeftwichに決まるかというところまで言ったようですがおそらくBaalkeをクビにすることが条件だったせいかそれも消滅。そうこうしているうちにどんどん候補者は他チームのHCに決まっていきましたが、そんな中、このどん底のチームを救いに来てくれたナイスガイが元PHIのHCであるDoug Pedersonでした。

元々バックアップQBとしてNFLで10年以上を過ごし、2009年にAndy Reid(現KC HC)がHCを務めるPHIにOffensive Quality Control Coachとして採用。その後Andy Reidと共にKCへ渡りOCを3年間務めた後にHCとしてPHIへ帰還。

HC初のシーズンをルーキーQB Carson Wentzとともに過ごしたが結果は7-9。その翌年はそのWentzが覚醒しMVP級の活躍をしたがシーズン途中でACL断裂により離脱。しかしその後もバックアップQBのNick Folesの活躍もありフランチャイズを史上初のSB制覇に導いた。その後のオフにPHIと契約延長を果たし今後の黄金期を築いていくかと思ったが、その後成績は徐々に悪化しWentzとの関係性も悪化。最終的にフロントともいざこざがあり2020年シーズン終了後に解雇。最終的なPHIでの成績はレギュラーシーズンは42-37-1 (.531)、プレーオフは4-2 (.667)。

その後は休息・今後に向けての充電のために1年間NFLを離れていました。非常に有意義な1年間になったようで、その間にもHC職に戻るために準備はしていたようです。そしてその休息を明けてJAXの新HCとなりました。HC就任後よりとにかく強調していることは「コミュニケーション」ということのようです。おそらく選手だけでなくコーチ間やフロントに対してもということだと思います。実際、昨年に失われた信頼関係は取り戻せているように感じますし、チーム全体として流れはいい方向に変わってきているように感じます。

今年のコーチ陣の特徴は元NFL選手のコーチが多いことで、半数以上がおそらく元選手です。また、大きいのはLawrenceを支えるのが全員元QBかつNFLコーチ歴も十分ということです。昨年の多くを無駄に過ごさせてしまったLawrenceにとって初めてNFLでしっかり準備をできるシーズンだと思うので、昨年からの大きな飛躍を期待します。

また、昨年のMeyerと違って会見での回答も非常に明確で印象がいいです。昨年のMeyerはなんか的を得ない曖昧な回答が多かったように思います。これに関してはMeyerが酷かっただけでPedersonが特に素晴らしいという話ではないんですが。

Pederson自身も1年で再建は難しい、といったことを言っていますしすぐに結果に結びつけるのは難しいと思いますが、少なくとも昨年のように即解雇を求めるようなことになることはないと思います。数年後にプレーオフ、SB進出を見据えて頑張ってほしいです。

他コーチについては以前の記事をご参照ください。

jaguars-note.hatenablog.com

新生JAX

こんなJAXにもこの10年で一度だけ輝いた年があります。2017年です。この年に自分がNFLを見始めたことがJAXを応援するきっかけになりました。

2017年はDE Calais Campbell、CB A.J. Bouye、FS Barry ChurchなどのFA組や、前年大当たりドラフト組(Jalen RamseyMyles JackYannick Ngakoue)を中心としたディフェンスが大爆発。失点数、喪失ヤード、INT、サック数など多数の項目でリーグ2位となり「Sacksonville」との異名で呼ばれるほどでした。そして10-6で1999年以来18年ぶりの地区優勝、2007年以来10年ぶりのプレーオフ進出を果たし、PITとのDPを勝ち上がりCCへ進出。迎えたNEとの試合では序盤はリードしたものの終盤にBradyにやられ逆転負けを喫してしまいました。

それを機にJAXも強くなるのかと思いきや、その後はあっという間にこの強力ディフェンスは解体。最後まで残っていたMyles Jackも今年リリースされ、ついに1人もいなくなりました。かつてリーグ屈指のディフェンスと言われた面影はもうありません。

しかし、前みたいなスター選手はいないものの今年新たになったチームも決して悪くはないはずです。特に若い選手が多いですし、この1〜2年で当時のSacksonvilleを思い出させるような強力ディフェンスを作ってほしいです。また2017年と違い、オフェンスもLawrenceがいるためBlake Bortlesよりも確実にいいと思いますし、全てがうまく噛み合えば昨年のCINのように数年以内にSBコンテンダーとなる可能性も十分あると思います。生まれ変わった新生JAXに期待したいと思います。

 

次回はオフェンスについて書いていきます。