Jaguars Note

NFL Jacksonville Jaguars(ジャクソンビルジャガーズ)の応援ブログ

Jaguars Note

FA加入②(Offense)

Embed from Getty Images

それでは本題のオフェンス編です。日本のファンからはボロカスに批判されていますが、意外とネットの動画やコメントなどで見る限りは現地メディアやファンからは批判と同じくらい期待する意見も多い気がします。やっぱり去年の悲惨さを考えればなんでも希望に見えてくるのか…個人的にはやっぱり疑問に思う部分は多いです。ほとんどWRについてですが。

もちろん契約したからには頑張って給料に見合うぐらいの結果を出してほしいものです。

Brandon Scherff

選手について

G Brandon Scherff  6-5 315lbs 30歳 UFA/WAS)
College: Iowa Entry: 2015 Draft, 1R, #5 overall, WAS

以下過去記事で触れていた内容をそのまま。ちなみに今年OLコーチとなったPhil Rauscherとは2018-2019年にWASでともに過ごしている。

Scherffは2015年の1巡指名であり5回のPro Bowl選出、2020年にはAll-Pro 1stに選出され、2020、2021年に2年連続でFranchise Tag指定された超優秀なRG。しかし問題としては耐久性。2015年にプロ入りして以降、フル出場は最初の2年のみ。その後は胸筋、肩、膝、足首、肘、ふくらはぎなどの怪我を経験し以後は14、8、11、13、11試合と欠場が多めとなっている。契約は高額になることが予想されるため出場できないと困る。そういう意味では不安は残るし、年齢的にも30歳を超え衰えが見え始めるかもしれないのでその点も心配。ただ、前年もPro Bowlに選出されていることを見てもまだ十分に戦えるはず。Zoneブロックもいいスタッツを残しているのでSchemeにも合いそう。

2021年レビュー(OL)- Jaguars Noteより引用
契約

期間 :3年(2025/UFA
総額 :49.5M
保証 :30M(2022, 2023年のベースサラリー + サインボーナス)
年平均:16.5M

  Base Signing Roster Workout Cap Hit Dead Cap
2022 1.5M 5.0M 0.76M 0.5M 7.76M 17.8M
2023 13.5M 5.0M 1.0M 0.5M 20.0M 23.5M
2024 15.0M 5.0M 1.0M 0.5M 21.5M 5.0M

13試合出場分がLTBEとしてカウントされ、0.76Mに。全試合出場できれば残りの0.24Mは2023年に計上。Pro Bowl選出で1Mのインセンティブあり。

昨年のFranchise Tagを抜けば年平均としてはGとして歴代最高額。やはりJAXに来るにはこれぐらいは必要か。

感想

評価:A

RGのA.J. CannがFAとなったため補強が必須であり、一番獲得を願っていた選手の一人。確かに高額とはなってしまったが、ランブロック・パスプロテクションともに優秀でありもし健康で試合に出れるのであれば間違いなくグレードアップになるしキャップに関しても許容範囲内。とにかく怪我せずに全試合出場してくれることを祈るのみ。

ちなみに他のOL事情については、

LTCamと契約延長の打診中
LG…動きなし
CLinder引退 or カットも
RG…確定
RTJawaan Taylorには満足している、またLittleと競わせることも視野に、との発言

以上からは左からCamBartchLinder/ShatleyScherffTaylor/Littleになる可能性が高そうです。LittleがLGになんて意見もあるのでまだわかりませんが…

あとはドラフトでLG、将来のC候補を指名するかですが、他のニーズとも相談ですね。なんかこう見ると全体的にはあんまりグレードアップ感がないような気も…

Evan Engram

選手について

TE Evan Engram  6-3 240lbs 27歳 UFA/NYG)
College: Mississippi Entry: 2017 Draft, 1R, #23 overall, NYG

サイズはTEとしては大きくないが40ヤード4.42sとTEとしては最高峰のスピードを持つアスレチックなレシービングTEで2017年に1巡で指名。ルーキーから64レシーブ722ヤード6TDといい成績を残すもそれがキャリアハイで以降は一貫性なく成績も伸び悩んでいる。また毎年のように怪我に苦しみフル出場は2020年のみ。2020年には63レシーブ654ヤード1TDでPro Bowl選出。正直なぜ選ばれたのかよくわからない。

確かにLBに対してはスピードで、Sに対してはサイズで優位性をとれるのは間違いないが、彼の一番の問題点はそのドロップ癖。過去のスタッツを見てみると、2017~2021年で合計29ドロップ。平均して5.8ドロップ/年は多すぎる。ドロップ率にしても2018、2019年は悪くなかったが2017、2020、2021年については14.7、11.3、8.0とひどい。しかも彼が弾いたボールをINTされるケースも多く、Contested Catch率は34.4%とTEとしては低い。つまり近くにディフェンスがいるとキャッチできないどころかINT率も上がる可能性が高いということ。セパレートできればいいのかもしれないができなかった場合は非常にターゲットにしづらい。TEとしてそれはどうなのか。正直5年間直っていないものが今年いきなり直るとはあまり思えないが…ちなみに彼のハイライトを見ようと思ってYouTubeを見ていたらドロップ集がいっぱい出てたので参考までに。
参考…https://www.youtube.com/watch?v=0P8rZYsPicc

あとの問題点はブロッキングができないところ。これについてはそれを期待して獲っていないのであまり問題なさそう。ブロッキングTEは一応いるし。

契約

期間 :1年(2023/UFA
総額 :9M
保証 :8.25M(ベースサラリー + サインボーナス)
年平均:9M

  Base Signing Roster Workout Cap Hit Dead Cap
2022 5.25M 3.0M 0.22M 0.5M 8.97M 8.25M

契約としては1年契約なのであまり複雑なことはなし。ややCap Hitが減っているのはRoster Bonusが前年の出場試合数からやや引かれているせい。フル出場すれば0.25MとなりCap Hitは9Mになるはず。

単年契約になったことに関しては、JAX側は複数年契約を打診したがEngram側がそれを望まなかった、とのこと。2021年に思うように才能を発揮できなかったため今シーズンの自分に賭けることを優先した、ということらしい。つまりここで実力を発揮できればもっといいオファーが来るはずだから、今は長期契約せずに次にもっと好条件で大型契約を結びたいということか。JAXとの契約かは知りませんが。

感想

評価:B-

PedersonはPHI時代にもZach ErtzDallas Goedertなどの豪華なTE陣を擁してパスターゲットとして多用していたので、Dan Arnoldと組んでパスキャッチャーの選択肢として求められているのは明白。ただ上で書いたようにポテンシャルは高いものの問題点が大きすぎる。とにかくドロップをしないこと、INTを誘発しないこと、怪我をしないことを徹底してほしい。彼についてはそれに尽きる。逆に言えばそれができればかなりの当たりになり得る。

まだNYGでしかプレーしておらずただチームにフィットしなかったことが原因の可能性もわずかながらあるとは思うので、それに期待を込めて評価はやや高め。

今後を考えると、1年契約だということもありドラフトでのTE指名のプライオリティは高めの印象。FA前に考えていたように3巡あたりでの獲得が現実的かと思う。ただIOLもそのあたりでほしくなりそうなので、どこを優先するか次第か。個人的にはとるならGreg DulcicciIsaiah Likelyのどちらかがいいかなぁとは思っています。

 

Christian Kirk

選手について

WR Christian Kirk  5-11 200lbs 25歳 UFA/ARI)
College: Texas A&M Entry: 2018 Draft, 2R, #47 overall, ARI

スピードとクイックネスがあり、ディープに強いスロットWRとしてカレッジで活躍し、2巡でARIに指名された。ルーキー時はQBがJosh Rosenだったこともありチームは不振だったが、彼自身は足の骨折で最後の4試合を欠場するまで12試合に出場しチーム内では当時エースWRのLarry Fitzgeraldに次ぐ成績。2019年に全体1位でKyler Murrayが指名され、13試合に先発出場(足の捻挫で3試合欠場)し成績を伸ばした。2020年にはHOUよりDeAndre Hopkinsが移籍し完全なエースWRに。Kirkは序盤に鼡径部の痛みで2試合に欠場するもまた2番手の成績を残した。ちなみにこの年はDan Arnoldとチームメイトとしてともに活躍。この年までは主にアウトサイドWRとして使用されている。そして2021年にはA.J. Greenも加わりKirkはスロットの役割がメインとなり、キャリアハイの984ヤードを記録しARIのリーディングレシーバーとなった。

  G GS TGT REC REC% YDS YDS/REC TD SLOT% WIDE% DROP DROP%
2018 12 7 65 43 66.2 590 13.7 3 30.8 68.7 3 6.5
2019 13 13 99 68 68.7 709 10.4 3 41.6 57.9 3 4.2
2020 14 10 74 48 64.9 621 12.9 6 16.3 83.7 2 4.0
2021 17 11 101 77 76.2 984 12.8 5 78.6 21.4 6 7.2
契約

期間 :4年(2026/UFA
総額 :72M
保証 :37M(2022, 2023年のベースサラリー + サインボーナス)
年平均18M

  Base Signing Roster Workout Cap Hit Dead Cap
2022 1.5M 5.0M 0.5M 0.5M 7.5M 37.0M
2023 15.5M 5.0M 0.5M 0.5M 21.5M 30.5M
2024 14.5M 5.0M 1.5M 0.5M 21.5M 10.0M
2025 15.5M 5.0M 0.5M 0.5M 21.5M 5.0M

1年毎にインセンティブが最大3Mつくようです。詳細はわかりませんが、獲得ヤードに関与するものとのこと。Pro Bowl選出なども入っているのかも。

これが今季一番物議を醸している契約。Spotracによれば、市場価格としては4年契約で47.5M、年平均11.8Mあたりが相場だったよう。比較されているのもTyler BoydCorey DavisNelson AgholorTim Patrickといった選手。そこを圧倒的に超えた金額での契約。インセンティブがつけば年平均21Mとは…明らかにリーグトップレベルのWRに払う額。彼にそこまでのものを見出しているのかそれとも足元見られたのか、Baalkeがやっちまったのか。シーズンが始まればそれもわかるでしょう。前者であることを祈ります。

感想

評価:B+

まず金額については上で記載したとおりとんでもない。今後のリーグのWR契約にも影響を与えたでしょうし、スロットWRですからね。これがトップレベルのアウトサイドWRになれば平気で年平均30Mとかが飛び交うようになるのでしょうか。来年契約更新控えるチームには申し訳ないです(笑)

問題はじゃあ金額に対してちゃんと働いてくれるかということなのですが…

そもそも何を期待して彼を獲得したのか。もともとJAXにはエースWR、特にXタイプのレシーバーが不在とされてきました。それに対してスロットWRはShenaultAgnewと2人います。Xタイプとしての役割は昨シーズンはLaquon Treadwellが果たしていましたがやはり物足りなく、今FAでの獲得が熱望されていました。ところが次々と契約更新やフランチャイズタグなどにより有力WRがボードから消え失せ、残ったのはAllen Robinsonのみ。理想としてはAllen Robinsonを獲りつつCharkと再契約することでしたが…

BaalkeとPedersonの話では、彼はスロットにもアウトサイドにもタックルの隣にも並ぶ可能性があり、多彩な役割を果たすことになる、とのこと。確かに2021年以外はアウトサイドとしてもいい成績は残しているのである程度できるはず。ただ、2021年に成績が向上したのは本来の役割であるスロットをメインにしたから、また他にHopkinsGreenといった選手がいたから、という可能性もある。そうするとやはりスロットをメインにすべきなのではないか、またWR1としては本当に活躍できるのか、などの疑問は残る。また他のWRとの兼ね合いがどうなるのか。最近Treadwellと再契約をしていたので、Xタイプは彼に託すのか。それも固定せずにWRに様々な役割を課すのか。

なんか結局起用法は現時点では全くわかりませんが、いいWRであることは確かでPedersonが気に入っているのも間違いないようです。金額についてもBaalkeは「もし彼が契約通りのレベルでプレーしてインセンティブを満たせば、誰も彼の報酬の額を気にしなくなるだろう。彼が良いプレーをしなかったときには問題になるが、我々はその心配はしていない」とか言っているので今はしぶしぶ納得することにします。もしシーズン始まって期待はずれだったらボロクソに批判します。

ということでそれを加味しての評価としました。そもそも金額重視になるとだいたいが悪い評価になってしまうので…

Zay Jones

選手について

WR Zay Jones  6-2 200lbs 26歳 UFA/LV)
College: East Carolina Entry: 2017 Draft, 2R, #37 overall, BUF

変な髪型のお兄さん。サイズが有りキャッチの径も広い、ルートランナーWRとして2017年にBUFにドラフト。ルーキー時はあまり活躍できず。チームでもリーディングレシーバーはTE、2番手がRBという残念な結果。リーディングWRは430ヤード…翌2018年にはJosh Allenをドラフトするもまだ開花前で成績は残せず。その中で16試合全てに出場しキャリアハイの56レシーブ652ヤードを記録しチームではリーディングレシーバーに。翌年5試合出場時点で5巡で当時のOAKへトレード。10試合に出場するもわずか20レシーブ147ヤードにとどまる結果に。2020年もDarren WallerHunter RenflowHenry Ruggs III、FAで獲得したNelson Agholorの中であまり出場機会を得られず、16試合に出場するも先発はわずか2試合で14レシーブ154ヤード。前半7試合はやはりあまり機会を得られず7ターゲット6レシーブ115ヤードのみ。ところがRuggsが交通事故で逮捕されてリリースされた後にスターターに定着。残り10試合に出場し9試合に先発、62ターゲット41レシーブ431ヤードの成績を残した。

LVの記者によると、彼はDerek Carrのお気に入りでありロッカールームでもうまくやっていた様子。本当は契約延長をしたかったが、Renflowの契約更新を控えていること、Davante Adamsのトレードのこともありその余裕はなくなったらしい。彼の長所は驚異的なスピードでスペースを作り出せることで、プレーメーカーを必要とする若いチームで、Lawrenceと共にとてつもない存在になるだろう、OLがLawrenceに時間を与えることができれば、彼とZayは並外れたことをするようになるだろう、とのこと。また弱点としては、規則正しいルートランナーだが、プレーが崩れたときにゲームプランに反する決断ができない、とのことだった。

Pedersonの評価としては、彼のサイズ、スピード・爆発力・積極性、フィールドを縦にストレッチする能力などを気に入っているよう。

契約

期間 :3年(2025/UFA
総額 :24M
保証 :14M(2022, 2023年のベースサラリー + サインボーナス)
年平均:8M

  Base Signing Roster Workout Cap Hit Dead Cap
2022 1.5M 1.83M 0.5M 0.5M 4.3M 14.0M
2023 7.0M 1.83M 0.5M 0.5M 9.83M 10.7M
2024 7.0M 1.83M 0.5M 0.5M 9.83M 1.83M

2年目以降はかなり高くなるが、3年目のデッドキャップはかなり控えめなので働きに見合わなければここでカットは可能。

感想

評価:C

Kirkの大型契約でざわざわしていたところに続いてこの契約のニュースでさらに嫌なムードに。確かに評価はされており、スタッツに関しても出場機会さえあればそれなりの活躍はしている。ただ結局は「それなり」でしかなく、このレベルのWRに対してこの金額はかなりのoverpayと言わざるを得ない。それに加えて起用法が不透明なことが批判の原因と思われる。Kirkの項でも書いたようにエースがほしかったのにWR2-4レベルを揃えても…という印象。役割としてはサイズも大きめですしスピードもあることからはCharkのような役割を求めているのでしょうか。

そうなるとやっぱりドラフトで将来のエースを狙うのが現実的と思われます。1位はさすがにないので33位で残っているWRとすると、Jahan DotsonGeorge PickensChristian WatsonSkyy MooreAlec Pierceあたりになるのでしょうか。その中ではやはり小さいスロットタイプよりはサイズのあるタイプがほしいのでPickensWatsonが候補だと思うのですが、Watsonはいきなりコンバインなどを通して評価が上がってきてなんとなくバスト臭もするので、XタイプでWR1になれる可能性のあるPickensが第一希望です。怪我明けというところもBaalke好みな気がします。それかトレードアップしてJameson Williamsを狙うのもありかもしれません。