昨シーズンのガッカリポジションその2。今オフで一番補強をお願いしたいところの1つ。
Roster
シーズン前
前年はひどいシーズンながらもDJ Chark、Keelan Coleを中心とし堅実な活躍、ルーキーのLaviska Shenaultもストロングポイントであるコンタクト後の強さを見せ上々の成績、5巡ルーキーのCollin Johnsonも良いところは見せており次シーズンからはもっと役割も増えてくるのかなと考えていた。
Cole、Dede Westbrook、Chris ConleyがFAとなるものの生え抜きのChark、Shenault、Johnsonについては期待値も高く、補強が正しく行われれば強力なユニットとなることが期待された。
FAとしてはKenny Golladay、Corey Davis、Curtis Samuel、A.J. Greenなどが目玉として期待されていた中で、DETからMarvin Jones、リターナーとしてJamal Agnewと契約。あとはNFLでは成功しなかった元1巡のベテランを集めてきた。正直もっとビッグネームが来ることを期待していたから微妙な気持ちになったものの、Jonesは優秀なWRではあるしベテランとしてJAXの若手WRたちのメンターとしての役割を果たしてくれることを期待。
そしてドラフトではWRは6巡でJalen Camp、UDFAでTim Jonesとの契約のみ。Campはのちにリリース。
迎えたキャンプでは特にShenaultが連日絶好調とのレポートあり、一切ドロップもしないと。これは2年目に爆発するに違いないと確信。
53人のRosterにはChark、Jones、Shenault、Agnewは確実に残り、あと1〜2枠でJohnsonあるいはSTでもそれなりによかったというLaquon Treadwellのどちらかかなぁと思っていたが、プレシーズンで良い活躍をしたTavon Austinを残し2人ともカット。特にJohnsonのカットはショックだった。後にNYGと契約するもチーム事情もありあまり活躍はできてないのが余計に悲しい。そんなこんなでシーズンがスタート。
成績
G | GS | TGT | REC | REC% | YDS | Y/REC | TD | Drop | Drop% | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Marvin Jones Jr. | 17 | 16 | 114 | 73 | 64.0 | 832 | 11.4 | 4 | 3 | 3.9 |
Laviska Shenault Jr. | 16 | 10 | 95 | 63 | 66.3 | 619 | 9.8 | 0 | 10 | 13.7 |
Laquon Treadwell | 12 | 7 | 51 | 33 | 64.7 | 434 | 13.2 | 1 | 1 | 2.9 |
Jamal Agnew | 10 | 3 | 35 | 24 | 68.6 | 229 | 9.5 | 1 | 3 | 11.1 |
Tavon Austin | 13 | 3 | 38 | 24 | 63.2 | 213 | 8.9 | 1 | 2 | 7.7 |
DJ Chark Jr. | 4 | 4 | 19 | 7 | 36.8 | 154 | 22.0 | 2 | 2 | 22.2 |
シーズン振り返り
シーズンを振り返ると、とにかく
①ドロップが多い
②オープンになれない
これに尽きる。特に見た感じだと3rdDなどの大事なシチュエーションでのドロップが多かった印象。リーディングレシーバーはJonesで832ヤード。2019年のChark以来1000ヤードレシーバーはおらず。ReceivingのPFFの評価は63.7とCAR、NYGに次ぐワースト3位。Lawrenceの未熟な部分もあったとはいえそれだけでは説明のつかない酷さで、その酷さを集約したかのようなプレーが以下。
何が起こればこんなことになってしまうのか…色々全てが噛み合わなかったんでしょうね。
WRの起用についてはおおよそ下記の通り。
Week 1-4 | Week 5-8 | Week 9-11 | Week 12-18 | |
---|---|---|---|---|
R-WR | Marvin Jones Jr. | Marvin Jones Jr. | Marvin Jones Jr. | Marvin Jones Jr. |
L-WR | DJ Chark Jr. | Laviska Shenault Jr. | Laquon Treadwell | Laquon Treadwell |
Slot-WR1 | Laviska Shenault Jr. | Jamal Agnew | Laviska Shenault Jr. | Laviska Shenault Jr. |
Slot-WR2 | Jamal Agnew |
Week 4でCharkがシーズンエンドとなった後にShenaultをアウトサイドにするもあまり機能せず、Week 9にTreadwellを昇格。Agnewの怪我離脱はあったものの以降は大きな役割変更はなし。Austinの使い方はよくわからなかった。
詳しいところは各々の評価項目で示しますが、今シーズンのこのユニットのよかったところといえばAgnewとTreadwellの予想外の活躍くらいではないかと思います。もちろん全体が悪かったから相対的に良く見える部分はあるとは思いますが…
#11 Marvin Jones Jr.
評価:A-
ほぼ全試合出場しリーディングレシーバーに。爆発的なプレーはあまりないものの、さすが実力のあるベテランという感じでとにかく安定。ドロップもほとんどしていないし間違いなくLawrenceにとって一番安心できるパスターゲットでした。
ただ、彼はWR1ではなく信頼できるWR2 or WR3であるべきだと思っています。本来Charkがその役割を担うはずだったが怪我で離脱したせいでWR1の役割を押し付けられてしまいました。来シーズンはきっとWR1をどこからか持ってくるはずなので負担が減ると思いますし、その上で是非とも今年と同等の結果を出していただきたいです。
#39 Jamal Agnew
評価:B
Meyer/Baalkeの数少ない功績の1つが彼と契約したこと。元々リターナーとしての契約だったがCharkの怪我後からはWRとしても起用。徐々に役割が増えていったところだったが、Week 11のSF戦で臀部の怪我で負傷退場しそのままIR行きでシーズンエンド。
経験不足からかドロップが多いのは気になったものの、プレーのスピード・爆発力は随一でかなりのポテンシャルを秘めている印象を受けました。今年のオフでまずは怪我から復帰してWRとしてのトレーニングをすればさらにインパクトを与えてくれるのではないかと期待です。IND戦ではRBとしてセットしてハンドオフからのTDを決めてくれましたし、起用方法としてはやっぱりスロットやバックフィールドからのプレーになるんでしょう。
# 7 Tavon Austin
評価:C
元々1巡8位と上位で指名されたもののキャリアハイは509ヤードと振るわず。それでも2016年に4年42Mとそれなりの金額で延長、しかしその2年目に6巡でDALにトレード。その後はチームを転々としJAXへ。
プレシーズンでかなり良い働きを見せたことで53人のRosterの最後の1枠に滑り込んだが、シーズン開始直前に大腿四頭筋の肉離れか何かでIRへ。最初の3週を休み、Week 4から出場となった。基本は控えで13試合には出場するも24レシーブ213ヤードで終了。
あまり印象には残ってないので書くこともないのですが、あまり持ち味とかもわからないままでした。正直彼をRosterに残すくらいなら将来性も兼ねてCollin Johnsonがよかったな。
#18 Laquon Treadwell
評価:B-
かき集められた元1巡バストの1人。2016年にMINから1巡で指名されるもキャリアハイが302ヤードで5年目オプションを破棄。2019年のRosterに残れずカット。9月に再契約し13試合に出場。2020年にATLと契約し一度はカットされるがPSで契約、その後Rosterに昇格し5試合に出場。しかし6レシーブ49ヤードにとどまる。そして2021年にJAXと契約。ここでも最終Rosterに残れず一度はカットされるもすぐにPSへ。その後Roster昇格、33レシーブ434ヤードのキャリアハイを記録。
Charkの怪我とShenaultはスロット向きだったことでRosterに昇格。周りがドロップ祭りの中、ドロップ数1でドロップ率は2.9%と優秀な数字。要所要所で捕ってくれるので非常に頼り甲斐があったように思う。もちろんWR1では全くないが、WR3-5にいる分には心強いと感じた。個人的には枠があれば来シーズンも残してほしいと感じた。
#17 DJ Chark Jr.
評価:C-
6-4の高さと40ヤード4.34秒のスピードを兼ね備えたJAXのエースで2年目の2019年に初めて1000ヤードレシーブを達成しPro Bowlに選出。しかし2020年はQBの問題もあり成績が悪化。今年はLawrenceを指名したことでその問題は解決し再度1000ヤードレシーバーになることが期待されていた。
Week 1は86ヤード1TDの活躍を見せ、続くWeek3でも1TDを記録。ところがWeek 4のCIN戦でランブロックをした際に背後で倒れた味方に左足を巻き込まれ足首を骨折。シーズンエンドとなった。
彼はルーキー契約の最終年で今年の活躍次第で契約延長かFAかがかかっていることもあり、JAXでの未来という意味でもあまりに大きな怪我となってしまった。今後のことについては下記。
#10 Laviska Shenault Jr.
評価:B-
昨シーズンで期待できる活躍をし、プレシーズンのキャンプでも輝いていて全然ドロップしないと言っていたことから2021年にブレイクアウトは間違いないと確信していた。ところがシーズンが始まればポロポロ落とす。シーズン37回(最大189回の20%)以上ターゲットになっているレシーバーの中でShenaultのドロップ率は6位。ちなみに前年はドロップ数3の4.9%。大事なところでのドロップは本当に勘弁してほしかった。どれだけイライラしたか…これは来シーズンには直るのでしょうか。そこが一番重要なところ。
一方でRACの部分はやはり健在。上記のレシーバーの中で8位の成績。ちなみに1位は10.2ヤードでDeebo Samuel。彼のようになってほしいと思ったものだがやっぱりDeeboは化け物だった。またミスタックル誘発(MTF)に関しては20とCooper Kuppに次いで2位。特に圧巻だったのはWeek 5のTEN戦で見せたこのプレー。これができるのが彼の良いところ。
来季はドロップ癖を直してスロットとしてこんなプレーをたくさん見せてほしいです。またAgnewと同じくバックフィールドからも使ってオフェンスにバリエーションをもたらしてほしいですね。大事な3年目ですし次こそブレイクアウトしてください。
その他
Tyron Johnsonについてはプレシーズンで良い結果を残しLACがWaiveしたところをすかさずClaimし、正直期待を持っていました。しかし、本人が悪いのかコーチングが悪いのか知りませんが、ルートをちゃんと走れない?とかでほとんど出場せず。結局トータルで4ターゲット、1レシーブのみ。Week 10のIND戦後にWaive。
John BrownはWeek 9のBUF戦後にPSで契約するもすぐにWaive。正直あとのPSはあまり試合に出てないので省略。
2022年の契約状況と展望
まず今オフで1番の関心事は当然Charkの去就。JAXでドラフトした選手は他所に出て活躍するイメージがあるのでまずはその選手の流出を止めることがフランチャイズを強くするための一歩だとは思います。そしてPedersonが彼を残したがっているとの噂もありますしインスタにLawrenceとの練習をしているところをアップしたりもしてるみたいなので残ってくれるのでは?と少し期待しましたが少なくともフランチャイズタグは貼られなかったようです。
残すとして問題となるのは彼の怪我歴です。そもそも彼はプロ入りしてから怪我に悩まされ続けており、ルーキーイヤーの2018年は大腿四頭筋の肉離れで5試合を欠場、2019年も足首の怪我で2試合欠場、2020年には背中や肋骨、足首の怪我、脛の打撲などで4試合に欠場。2021年のシーズン開始前には指の骨折で手術を行いプレシーズンは全休、シーズン開始ギリギリまで休養となっていました。LSU時代にうつ病を経験しているのでメンタル的にも苦労しています。プロ入りしてからは克服していそうですが。その点からは残ってもシーズンを完走できるかはなんとも言えないところです。そうすると長期契約するのも不安が大きい。なのでSpotracによると1年平均11.9Mとなっていますが理想としては実績を鑑みて1年での10M前後のもう少し安めの契約、来季の活躍次第で実績に応じた長期契約にできれば理想かなと思いますが、現実的には放出の可能性が高いと思います。FA市場に出れば獲りたいチームはいくらかあるはず。PHIもその一つらしいので、JAXを出るのであれば是非ともPHIに行ってほしいですね。
残るJones、Agnew、Shenaultは普通に来年も継続でカットはないでしょう。Austinは普通にさよならでいいと思いますが、Treadwellに関しては最終的に補強がしっかりできれば枠に入りきらないと思うのでPSでいいと思うのですが、せっかくLawrenceとも相性も良さそうですし徐々に調子を上げていたこともあるのでまずは再契約を考えていいかと思います。
あとはCharkの去就に関わらずFAでのトップWRとの契約は必須ですね。残念ながらChris Godwin、Davante Adamsはタグ付け、Mike Williamsは契約延長されてしまいました。DALがDalton Schultzにタグ付けしたのでMichael Gallup、あとはCHIのAllen Robinsonは出てきそうですね。この辺りは是非ともほしいです。当然プレーオフコンテンダーとの競争に勝つためにはある程度金は積まないとなので割高になると思いますがそれはやむなしですね。
あとはドラフトでの補強ですが、全体1位に値するWRはいないので、2巡33位でもしいいWRが残っていればいってほしいです。Penn StateのJahan DotsonやUGAのGeorge Pickensなどが候補になりそうですが、PardueのDavid Bellはコンバインの結果で評価も落ちてそうですし33位はリーチなのかな、と思います。Baalkeは怪我で評価が落ちている選手が好きなのでPickensは特にありそうな気がしてます。
2021年は残念でしたがコーチも一新し、Lawrenceも2年目で調子を上げてくるはずなので是非ともしっかり武器を与えてあげてプレーオフ狙える位置まで行きたいです。