キャンプを数日間挟み、いよいよ本当のプレシーズンが開幕しました。結果としては概ね満足といったところ。なんか楽しく試合を見られたのは久々な気がします。まぁもちろん相手のスターターが欠けていたりWatsonが1年以上ぶりの実戦復帰で調子が悪かったということもありますし、課題も多く残る試合ではありましたが。早速振り返っていきましょう。
と、その前にキャンプでの出来事をまた簡単に。
キャンプまとめ
Roster Move
- 8/7
- RB Nathan Cottrellをwaived/injuredへ(後にwaiverを通過しIR、シーズンエンド)、RB Matt Colburnと契約
- 8/10
- QB Kyle Sloterをリリース、QB EJ Perryと再契約
- 8/11
- DL Jeremiah Ledbetterをwaived/injuredへ、DL Auzoyah Alufohaiと契約
まず、HOFゲームでかなりいい動きをしていた快速RBのCottrellが怪我をしたようで、詳細はわからないものの残念ながらシーズンエンドとなりました。3番手としても選択肢に上がってくる出来だったので残念です。代わりのMatt ColburnはWake Forest大学出身の選手で、2019年にUDFAとして契約するも最終Rosterに残れずカット。その後XFL、スプリングリーグ、CFLを経て、今年始まったUSFLのPhiladelphia Starsにドラフトされ、10試合をプレー、102回、457ヤード、8TDを記録。とりあえず現時点では6番手なのでRosterに残るのは厳しいでしょう。
そして先日契約したばかりのSloterをリリースし、waiveしていたPerryと再契約となりました。そもそもSloterとはPerryがキャンプ直前に負傷したことからキャンプで投げ手を確保するために契約。もしよければその後も、ということだったと思いますが、先日のHOFゲームでは残念な出来であり、Perryが怪我から復帰することもありリリースとなりました。むしろPerryには少しだけ期待しているのでよかったと思います。プレシーズンには出るのでしょうか。
HOFゲームでそこそこ目立っていたLedbetterも怪我をしてしまったとのことで代わりにAlufohaiと契約。詳細はわかりませんが、どちらにしてもRosterに残るのは厳しそうです。
ポジション争い
RTについてはJawaan Taylorが復帰してLittleと1stチームのrepを分け合っているようです。プレシーズンではTaylorが先発だったのでまだTaylor優位なんでしょうか。
キッカー問題についてもまだ解決はしていません。どうなるか心配です。
怪我人
Christian Kirkが直前の練習で足首を怪我してプレシーズンを欠場しています。Pedersonによればレギュラーシーズンであれば出場している、とのことだったので大きな怪我ではないと思いますが、大型契約をしていますし無理しないでもらいましょう。
James Robinson、Laviska Shenault、Jamal Agnew、Devin Lloydも経過は良好のようですがプレシーズン初戦は欠場のようです。こちらも無理しないで治してもらいたいですね。
プレシーズンWeek 1
先日のHOFゲームでは主力はほぼ欠場でしたが、今回の試合では数シリーズは主力が出ました。
対戦相手のCLEはDeshaun Watsonが先発するとのことで少し話題になりましたが以下の選手は欠場でした。特にDEやCB、Amari Cooper、RBが抜けていたので正直評価が難しいところもあるかと思います。
WR Amari Cooper, DE Myles Garrett, RB Kareem Hunt, RB Nick Chubb and QB Jacoby Brissett among those not expected to play tonight. Full list of those sitting the #Browns preseason opener in Jacksonville: pic.twitter.com/n1a6G7Q7mE
— Jake Trotter (@Jake_Trotter) 2022年8月12日
対するJAXは上に挙げた3人以外は最初の3シリーズでスターターが出場しました。Robinsonの代わりはTravis Etienne、Lloydの代わりはChad Mumaが務めることになりました。
結果としては13-24と残念な結果となりました。しかしスターターが出場した最初の3シリーズに限れば13-0です。その後はめためたにやられましたが、大事なのはスターターです。怪我さえ出なければいいんですが。
オフェンス
スターター
- QB
- Trevor Lawrence
- RB
- Travis Etienne
- WR
- Zay Jones、Marvin Jones、Laquon Treadwell
- TE
- Evan Engram、Chris Manhertz
- LT
- Cam Robinson
- LG
- Tyler Shatley
- C
- Luke Fortner
- RG
- Brandon Scherff
- RT
- Jawaan Taylor
QB
ATT | COMP | COMP% | YDS | YPA | TD | INT | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
#16 | Trevor Lawrence | 12 | 6 | 50.0% | 95 | 7.9 | 1 | 0 |
#3 | C.J. Beathard | 7 | 4 | 57.1% | 34 | 4.9 | 0 | 1 |
#6 | Jake Luton | 21 | 12 | 57.1% | 92 | 4.4 | 0 | 1 |
まずLawrenceについて
よかったところ
- 全てのシリーズを得点に結びつけた
- パス精度が昨年よりも良くなっている
悪かったところ
- 判断ミスや判断が遅い場面がいくつか見られた
- RZオフェンス
最初のシリーズでは2ndDでEngramが空きそうだったのにタイトなTreadwellに投げ込みパス失敗、3rdDはEtienneのドロップでFG。
2シリーズ目はディフェンスの好プレーでファンブルリカバーし、敵陣21ヤードからのスタートとなりましたが、最初のプレーではあわやファンブル。Shatleyが漏らしていたもののタイミング的にはZay Jones、Engramには投げられそうでした。3rdDは投げた位置としてはここしかないというところに落としていましたが、もう1秒くらい早く投げていればTDだったのではないでしょうか。絶好のチャンスを活かしきれずFG。
3シリーズ目の3rd&13の場面ではしっかり落ち着いてTreadwellに通しました。その後の1stDのPAからのZay Jonesへのサイドライン際のパスも素晴らしかったです。そして4th&2でのPAからのEngramのパスでTD。このシリーズは素晴らしかったと思います。
TDをとれたのが1/3ということで、キャンプの時から課題となっていたRZオフェンスがやはり今回も問題となりました。ここはコーチ陣の問題もあると思うので残りの期間でしっかり解決してほしいところです。
そしてスタッツとしてはパス成功率が50%とあまり良くない数字。去年みたいにWRが全く空いていないということはほとんどなかったと思うので、上述したように判断の問題が大きいのかと思いました。ここも残りのプレシーズンやキャンプで頑張ってほしいですね。
とはいえ、昨年と比べると見違えるくらい良くなっていると思います。今年は期待できると思います。
控えQBに関しては非常に残念な結果に終わっています。Jake Lutonに関しては前回のHOFゲームで正直諦めモードです。今回もイマイチです。ただBeathardに関してはゲームを壊さない控えとして評価していたのですが…今回の試合は少し残念でした。Tim Jonesへのパスはよかったと思いますがその後のPick 6の場面はArnoldがワイドオープンでしたし、かなりタイトにマンツーでカバーされていたところにパスをしたのはかなり不用意だったと思います。ただ全体的にOLがひどくてプレッシャーが非常にかかっている状態だったので、その点は同情できますが…
RB
Rushing | Recieving | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ATT | YDS | YPA | TD | TGT | REC | YDS | YPA | TD | ||
# 1 | Travis Etienne | 9 | 23 | 2.6 | 0 | 2 | 1 | 10 | 5.0 | 0 |
#24 | Snoop Conner | 7 | 21 | 3.0 | 0 | 2 | 2 | 11 | 11 | 0 |
#23 | Ryquell Armstead | 5 | 17 | 3.4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
#36 | Mekhi Sargent | 2 | 5 | 2.5 | 0 | 3 | 3 | 17 | 5.7 | 0 |
一番の注目はもちろんEtienneです。最初のキャリーから持ち前のスピード、クイックネスを見せてくれました。ロスがいくつかあったのでスタッツはあまり良くないですが、十分期待できると思います。あとはドロップがあったのは気になります。すぐ前にディフェンダーがいたのでそれを意識しすぎたのかもですが、RZではなんとか頑張ってほしいところです。
その他控えに関してはあんまり一生懸命見ていないのと、控えOLがひどいのであまり参考にならない気がします…
WR, TE
TGT | REC | YDS | YPR | TD | ||
---|---|---|---|---|---|---|
# 7 | Zay Jones | 4 | 2 | 47 | 23.5 | 0 |
#18 | Laquon Treadwell | 4 | 2 | 27 | 13.5 | 0 |
#83 | Tim Jones | 7 | 5 | 42 | 8.4 | 0 |
#88 | Jeff Cotton | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
#14 | Marvin Hall | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 |
#84 | Chris Manhertz | 1 | 1 | 10 | 10.0 | 0 |
#17 | Evan Engram | 2 | 1 | 9 | 9.0 | 1 |
#89 | Luke Farrell | 2 | 2 | 18 | 9.0 | 0 |
#86 | Gerrit Prince | 4 | 3 | 30 | 10.0 | 0 |
CLEのセカンダリーはほぼスターターが欠けている状態だったので参考程度ではありますが…
Zay JonesについてはFAで獲得した時には酷評されていましたが、今回の試合ではルートランもキャッチ力も満足なレベルでした。Treadwellも堅実でこのままなら6枠目は固い気がします。Tim Jonesの評価はキャンプ中も高めのようですしRosterを争うかもしれません。
TEはEngramのTDは良かったです。パスを投げられていない場面でもフリーになっているところはよく見られました。今後もドロップ癖さえ直ってればかなりの戦力になってくれると思います。その他もまぁ問題はなかったと思います。後半のFarrellのファンブルはダメです。
OL
スターターに関してはCLEのスターターDEが欠けており、特にOTに関しては参考程度ですが及第点だったと思います。特にScherffはさすが危なげなかったですね。
パスプロはShatleyが少し怪しかったですがその他はしっかりしていましたし、Taylorに関しても悪くなかったです。ランブロックに関してはまだゾーンブロックに慣れていないせいなのか取り逃がすことは多かったです。
RTのスターター争いに関しては、Littleはパスプロは問題なかったようですがランブロックが苦手のようで、その点でTaylorが上回っており、現時点ではTaylor優位じゃないでしょうか。
ディフェンス
スターター
- NT
- Davon Hamilton
- DT
- Roy Robertson-Harris、Foley Fatukasi
- ILB
- Foyesade Oluokun、Chad Muma
- OLB
- Travon Walker、Josh Allen
- CB
- Shaquill Griffin、Tyson Campbell
- Nickel
- Tre Herndon
- S
- Rayshawn Jenkins、Andre Cisco
フォーメーションはHOFゲーム同様、基本は3-4でパスシチュエーションではNickelフォーメーションでした。またその際にはDTはDawuane Smoot、Arden Keyとなってパスラッシュ特化のメンツになっていました。
スターターは、Deshaun WatsonはじめCLEオフェンスがかなり調子が悪かったようですが、それを差し引いても悪くない出来でした。DLで常に優位に立てていたのでラン、パスともに止まっていたように思います。
Mumaは前回の試合ではまだ時間がかかりそうという印象でしたが、今回の試合ではリードも良かったし、ブロックの処理もある程度できていてタックルも確実でした。ちなみに2シリーズ目はMumaの代わりにQuartermanが出ていましたが、しっかりブロックされていましたね。今日の出来ならMumaがLB3となるのではないでしょうか。
セカンダリーはあまりパスが飛んできてないので評価が難しいです。PFF的にはJenkinsの評価がめちゃ高いです。去年から成長したということでしょうか。精神的にも成長していることを期待します。
控え
基本的にいいところがありませんでした。タックルミスが多すぎだし、DLも押せてないしラッシュはあんまりかかってないしダメですね。特にセカンダリーのタックルミスはやめてほしい。
強いて良かった選手を挙げるとすれば、Jamir Jones、Israel Antwine、De'Shaan Dixon辺りでしょうか。
まぁスターターが怪我したらJAXは終わりですね。
ST
今回はあまりいうことはありません。Cookeがやや不調なのが心配になりました。
キッカー問題は今日では優劣がつかなかったと思います。
まとめ
オフェンスディフェンス共にスターターは概ね満足な出来でした。ただ控えのレベルがあまりに低く誰かが怪我をした途端一気に戦力がダウンすると思います。他のチームのプレシーズンなどの話を聞いていると余計に思うのですが、やっぱり強いチームはバックアップもしっかりしているので層が厚いです。正直現在のJAXにそこまでを求めるのは厳しく、スターターがリーグで戦えるレベルになりそうってだけで十分なのですが、このままその戦力を維持できればそのうちバックアップのレベルも上げられるんじゃないかとは思うのでそれに期待したいところです。
あとはもちろんプレシーズンで対戦相手の戦力も落ちているので、本気の相手に対してどこまでできるのかはレギュラーシーズン開幕を待つ必要があります。
今後の予定
プレシーズンが始まったということはRosterカットの時期でもあります。頑張っている選手を見ているとなかなか辛いですが、これもビジネスなので仕方ないですね。確認のため下にスケジュールを書いておきます(日本時間)。
- 8/17 (AM5時)
- 90→85人へカット
- 8/21 (AM8時)
- プレシーズンWeek 2 (vs PIT)
- 8/24 (AM5時)
- 85→80人へカット
- 8/28 (AM4時)
- プレシーズンWeek 3 (at ATL)
- 8/31 (AM5時)
- 80→53人へカット
- 9/1 (AM1時)
- PS契約
- 9/12 (AM2時)
- レギュラーシーズンWeek 1 (at WAS)