Passing Game Coordinator(以下PGC)としてJim Bob Cooterが採用されました。かれもPress Taylor同様変わった名前の持ち主のようです。確かにCooterは聞いたことないかな。とりあえずどんな人なのか簡単にまとめました。
The #Jaguars are expected to hire former #Lions OC Jim Bob Cooter as their new passing game coordinator under Doug Pederson, source said. He has worked with Peyton Manning and Matthew Stafford, now Trevor Lawrence.
— Ian Rapoport (@RapSheet) 2022年2月9日
Jim Bob Cooter (James Robert Cooter) 34歳
選手時代
Tennessee州FayettevilleのLincoln County高校卒業。
Tennessee大学へ進学しTennessee VolunteersのバックアップQBとして所属。3試合に出場し、Academic All-Southeastern Conferenceチームに選出された。
コーチ時代
2007〜2008年にTennessee大学でGraduate Assistantを務める。
その後、INDのOffense Assistantに採用され、2009〜2011年まで所属。
2012年、KCのOffensive Quality Control Coachとして所属。
2013年にPeyton Manningの所属するDENでOffense Assistantとして参加。
2014年にDETにQBコーチとして採用された。そのシーズン終了後、OCとしての面接を希望したCHIの要請を拒否。
2015年のシーズン中、前OCのJoe Lombardiが解雇され、OCに昇格。オフェンスのプレーコールを担当。
その後2018年シーズン終了後にMatt Patriciaが彼を残留させないことを決定し、解雇となった。
2019年2月8日、NYJの新HC Adam Gaseに、RBコーチとして採用され2年間所属。
2021年にPHIのコンサルタントとして採用され、1年間所属。
所属チーム | 役職 | |
---|---|---|
2007-2008 | Tenessee | Graduate Assistant |
2009-2011 | IND | Offensive Assistant |
2012 | KC | Offensive Quality Control Coach |
2013 | DEN | Offensive Assistant |
2014 | DET | QB Coach |
2015 | DET | QB Coach/OC |
2016-2018 | DET | OC |
2019-2020 | NYJ | RB Coach |
2021 | PHI | Consultant |
コーチとして
彼はどうやら明るくガサツで愛嬌のある人らしい。そして今年SBを制したMatthew Staffordともいい関係性だった様子。「彼は非常に細かいことにこだわる。彼は私が何を考えているかを常に知りたがり、できる限り一生懸命に指導しようとする。彼はどんな仕事を与えられても可能な限りそれをこなそうとしてきたし、これからもそうしようと努力を惜しまないだろう」とStaffordは彼について言っている。DETの上層部の間でも「驚異的なQBコーチ」と称賛されていたらしい。実際DETは他チームからのOCとしての引き抜きのための面接をブロックしたほど。
DETにCooterが所属していたときのStaffordの成績はパス成功率(64.9%)、Passing Yards(21,069)、TD(128)、25Yards以上のパスプレー(151)でNFLのトップ10にランクされた。2015年にはRZ効率(69.39)でNFLをリードし、2016年には4QのGame Winning Driveを8回生み出し、5人の選手が50回以上パスキャッチ(リーグ史上5チーム目)を達成した。
Cooter在籍時のMatthew Staffordの年度別成績 ※PFRより
※()内は13年のキャリアの中の順位
※※INTに関してはQB以外を除外する意味でINT率の順位
Cooterの役職 | チーム成績 | Comp% | Comp% (順位) |
Passing Yards | Passing Yards (順位) |
TD | TD (順位) |
INT | INT% (順位) |
Rating | Rating (順位) |
Game Winning Drive | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014 | QB Coach | 11-5-0 | 60.3 (9) | 25 | 4257 (8) | 9 | 22 (8) | 14 | 12 (7) | 9 | 85.7 (10) | 21 | 5 (2) |
2015 | QB Coach/OC | 7-9-0 | 67.2 (1) | 5 | 4262 (7) | 8 | 32 (3) | 8 | 13 (8) | 18-T | 97.0 (5) | 9 | 3 (7-T) |
2016 | OC | 9-7-0 | 65.3 (5) | 10 | 4327 (6) | 6 | 24 (7) | 14 | 10 (3-T) | 11 | 93.3 (7) | 13 | 1 (10-T) |
2017 | OC | 9-7-0 | 65.7 (4) | 6 | 4446 (5) | 3 | 29 (5) | 3 | 10 (3-T) | 10 | 99.3 (3) | 6 | 4 (3-T) |
2018 | OC | 6-10-0 | 66.1 (3) | 15 | 3777(10) | 16 | 21 (9) | 18 | 11 (6) | 14 | 89.9 (9) | 25 | 8 (1) |
Cooterが所属時にStaffordはキャリアハイを記録したり、キャリアの上位半分の成績を多く残している。
2015年シーズンで1-6と不振に陥り前OCのJoe Lombardiが解雇となりWeek 8よりCooterがOCに就任。初戦こそKCに負けたもののその後を6-3と好成績を残す。Offenseに関しては
Score | 1st Down | Passing Yds | Rushing Yds | TO | |
---|---|---|---|---|---|
Week 1-7 | 19.9 | 18.6 | 278.6 | 68.0 | 2.6 |
Week 8-17 | 24.3 | 21.4 | 251.3 | 95.4 | 0.7 |
と得点、1st Down、Rushingオフェンスが改善していますが、むしろPassing Yardsは少し下がっています。得点や1st Downが改善している理由はTOが劇的に減っているからだとは思いますが、それを減らせてるというのは良いことかと思います。
WRの成績は、OCになってからの2015年からをカウントすると、
※()内はキャリアの順位
※※Golden Tateは2018年10月30日にPHIにトレードされたためキャリアの順位はなし
Game | Rec | Yds | TD | ||
---|---|---|---|---|---|
2015 | Calvin Johnson | 16 | 88 (3) | 1214 (5) | 9 (5) |
Golden Tate | 16 | 90 (4) | 813 (5) | 6 (2-T) | |
2016 | Golden Tate | 16 | 91 (3) | 1077 (2) | 4 (6-T) |
Marvin Jones | 15 | 55 (6) | 930 (3) | 4 (6-T) | |
2017 | Marvin Jones | 16 | 61 (5) | 1101 (1) | 9 (2-T) |
Golden Tate | 16 | 92 (2) | 1003 (3) | 5 (4-T) | |
Kenny Golladay | 11 | 28 (4) | 477 (4) | 3 (3) | |
2018 | Kenny Golladay | 15 | 70 (1) | 1063 (2) | 5 (2) |
Golden Tate | 7 | 44 | 517 | 3 | |
Marvin Jones | 9 | 35 (8) | 508 (8) | 5 (5) |
となっており、2017年にはMarvin Jonesはキャリアハイ、その他もGolden Tate、Kenny GolladayもCooter在籍時にいい成績を残しています。Calvin Johnsonについては十分な成績なのですがこれでもキャリアで見ると5番目とさすがの化け物ですね…
ちなみにOC時のRushingの成績は2015〜2018年で32位-30位-32位-23位と低迷を続けており、あまり向いていないのでしょう。その後なぜRBコーチになったのかは謎ですが、NYJでのRushingは2019〜2020年で31位-23位とまたひどい成績。
そういう意味ではPassのことだけを考えればいいPGCというのは彼にとってかなりフィットしているのかもしれない。
犯罪歴について
Jim Bob Cooterは、2006年に飲酒運転、2009年に加重強盗で逮捕・起訴されている。2006年に車が数回センターラインを越えて道路の反対側を走行し、飲酒運転の疑いで逮捕されたという。当時の警察によると、彼は3回の飲酒検査に失敗して飲酒運転による初犯で起訴された。彼はノックスビルのテネシー大学警察に搬送され、飲酒検査で州の法定制限値の2倍以上を記録したとテネシー紙が報じている。
また、2009年にはある女性が「彼がアパートの窓から侵入して下着姿になりベッドに入ってきた」と言ったとのことで加重強盗で逮捕・起訴された。
しかし、刑事裁判所の記録にはどちらのケースも存在しないとのこと。つまり、告訴が取り下げられたか、却下されたか、抹消されたか、無罪となったか、あるいは他の方法で処理されたかということらしい。普通は交通違反から重罪まで、どんな刑事事件でもそれが存在すれば裁判所の記録に残るという。DETの広報担当者であるBill Keenistによると、告訴は取り下げられた、とのこと。
二度の犯罪を犯したがいずれも告訴が取り下げられているというのはどういうことなのか。なにかの力が働いたのか。謎ですね。まぁ彼のキャリアに影響を及ぼしていないことから考えると今後も大丈夫なんだとは思いますが…
現地の反応、個人的な感想
現地の反応を見るとまぁまぁといった感じか。犯罪歴を指摘する人もいるみたいですが、その後も普通にやってるしまぁ大丈夫でしょう。
個人的にはなかなかよいのではないかと思っています。上述の通り、Rushingに関しては絶望的な成績なのでOCやプレーコール出すのはやめた方がいいと思いますが、PGCに関してはStafford、WRの成績をしっかり残しているのでこの役職であれば悪いことはないんじゃないかな。プレーコールもPedersonが出すのでその点は問題ありません。人柄としても細かいけどいい人っぽいのでLawrenceといい関係をつくってほしいです。
あとは、昨年のJAXはあまりにもWR陣がお粗末だったのでぜひとも改善してほしい。特にMarvin JonesについてはCooterの下でキャリアハイを記録しているので、ここでもさらに記録を更新してくれるといいなと思ってます。